大空の旅
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としたのも束の間、リュカ落下に気付いたラーミアが、リュカを救うべく急旋回&急降下!
普通に乗ってるだけでも風圧に負けそうなのに、予告無しの急旋回&急降下には、皆が泣きながら悲鳴を発す!
巧みな飛行 (搭乗者への配慮は皆無)でリュカをナイスキャッチしたラーミア。
ラーミアの背中に舞い戻ったリュカは、過度の恐怖で泣きじゃくっている皆を見て笑いながら嘯いた。
「あははは、絶叫マシンは堪能出来た?」
「ふざけんなクソ親父!テメーぶっ殺すぞコノヤロー!」
両目から大粒の涙を溢れさせて、取り繕う事も出来ずにマリーはリュカに罵声を浴びせる。
恐怖は人の本性を露わにする…
<エコナバーグ>
レイアムランドからラーミアに乗って3時間。
リュカは先程の件を悪びれることなく、エコナの元へと軽やかに向かう。
ビアンカとハツキ以外から、『殺してやる』オーラが醸し出ても、全然気にしてはいない様子だ!
「エコナー!また来たよー!!」
100%仕事中な事が判っていても、構うことなくオフィスへ乗り込むリュカ…
「リュ、リュカはん…出立してから10日しか経ってないんに、もう戻って来たんか?」
流石のエコナも迷惑そうだ。
しかしリュカは全く気にせず、エコナを抱き寄せ耳元で囁く様に話し出す。
「あのね…エコナにお願いがあって来たの」
「な、何?お願いって…?」
エコナは既にトリップ状態…
リュカという麻薬は質が悪いのだ!
「あの双子を雇ってほしいんだ!」
部屋の入口付近で緊張気味に佇むスフェルとスフェアを指さし、エコナの首筋にキスをしながらお願いするリュカ。
「あ…べ、別に構へんけど…あの二人は…ん…何が…出来るんや…?」
エコナは、鼻から抜ける甘い声を出しながら、双子のプロフィールを確認する。
「さぁ…何が出来るのかは知らないなぁ…でも、真面目で良い子達みたいだから、僕の子のベビーシッターになってもらおうかと思ってね!」
リュカはエコナの腹部を触りながら、子供が居る事を皆に告げる。
「え!?マジかリュカはん!ウチ妊娠したんか!?」
トリップ状態から一気に覚めるエコナ。
他の皆も呆然としている。
「うん…命の暖かみを感じるよ」
「ホンマか!?ホンマなんやね?……ウチ…嬉しいわぁ…」
エコナはリュカの手の上から腹部を触り、涙ぐみながら幸せを感じている。
「と言うわけで、あの双子の事をお願いしたいんだ…長い時間、人里離れた僻地で暮らしていたから、些か常識外れな事もあるかもしれないけど、僕の相手をするよりは楽だと思うからよろしくね」
「何だ、自覚はしていたのですね父さん」
息子の侮辱にサムズアップで返すリュカ。
そして、やっと落ち着いて話をする事が出来るのだ…
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