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第十七話 禁句その二

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「私達にです」
「剣が手に入りますか」
「天の龍の神威が持つ剣が」
 まさにそれがというのだ。
「そうなります」
「そういえばです」
 嵐が言ってきた。
「あの剣は桃生神社に」
「ありましたね」
「それで地の龍に奪われましたね」
「あの剣は元々です」
「地の龍の神威のものでしたか」
「はい」 
 そうだったとだ、丁は嵐に答えた。
「実は」
「そうでしたか」
「どちらの神威も使えましたが」  
 それでもというのだ。
「運命ではです」
「地の龍の神威が持つものとですか」
「出ていました、そしてです」
「今度はですか」
「天の龍の神威が持つ剣がです」
「出て来るのですね」
「そしてです」
 そのうえでというのだ。
「その剣が出て来て」
「最後の天の龍もですね」
「出て来ます」
「最後の天の龍でっか」
 空汰はそう聞いて考える顔になって延べた。
「今までは神威が入る前提として六人で」
「まさにですね」
「天の龍はあと一人です」
 こう丁に答えた。
「わい等は」
「その最後の一人がです」
「わかりまっか」
「そうなります、その時貴方達の何人かにです」
 丁は空汰に静かな声で答えた。
「迎えに行ってもらいます」
「最後の天の龍に」
「その時はお願いします」
 空汰に頼みもした。
「是非」
「ほなです」 
 空汰はいつもの明るい調子で応えた。
「その時は」
「若し貴方達にお願いすることになれば」
「迎えに行ってきますわ」
「お願いします」
「ほなそういうことで」
「若しや」
 嵐がここで言ってきた。
「最後の天の龍は」
「彼ですか」
「はい、皇家の主である」
「陰陽道のですね」
「皇昴流さんでは」
 こう丁に言うのだった。
「そうではないでしょうか」
「そやな、わいも思ってたわ」
 空汰も言ってきた。
「ここまでな」
「ええ、かなりの力の持ち主が揃って」
「しかもや」
 空汰はさらに言った。
「どうもや」
「地の龍の一人が桜塚護なら」
「あいつと因縁があるっていうな」
「あの人だとね」
「思うのがな」
「自然ね」
「あの二人に何があったか知らんが」
 それでもというのだ。
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