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おっちょこちょいのかよちゃん
282 失われていく物
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ままこいつを連れて山田かよ子達のとこに戻って元の世界に帰るか、それともそのまま逃げるのか?」
「う・・・、僕は・・・」
 藤木はまた迷う。
(本当に僕がりえちゃんを守りたいなら、りえちゃんの為に何ができるのか・・・)
 藤木はりえが嫌がる様を思い出した。スケートをしに行った時まではあんなに自分を好いていたのに急に愛想を尽かされたのは理解できなかったが、そんなにりえが嫌がっているのなら・・・。
(僕はどれだけ人を好きになっても嫌われるんだ、卑怯者だって・・・。りえちゃんも、笹山さんも、僕から・・・)
 ふと藤木は笹山の事を思い出した。一度自分の事を許して迎えに来たそうだが、自分は拒絶した。今からでもやり直せる事はできるのか。
「おい、さっさと決めろよ。どっちの側に付くんだよ?」
「僕は・・・」
(もういいんだ、笹山さんも、りえちゃんも、皆僕から離れていくんだ・・・)
 藤木は失恋の連続なら仕方ないと思う。
「・・・りえちゃんはこの人達に渡すよ」
「えっ!?」
 りえは藤木が潔く自分の頼みを聞いた事に少し驚いた。
(もしかして藤木君、解ってくれたのっ!?)
 りえはそう思った。それなら自分や彼を捜している山田かよ子達にも都合がよいと思っていた。
「その代わり、僕はこのまま逃げさせて貰うよ!」
「・・・えっ!?」
「僕は誰が連れ返しに来たって帰らないぞ!」
「・・・そうか」
 杉山は藤木の決意の固さを知った。その時、妲己が近づいた。
「ん?これは、レーニン様!」
 レーニンの姿に戻る。
「妲己か。この小僧を連れて逃げよ。そしてこの小娘は私が引き取ろう」
「はい。坊や、おいで」
「はい」
 藤木は妲己と共に行く。
「それでは、消えよ!」
 レーニンは高校生三人の抹殺および彼等の道具の能力の吸い取りを行おうとした。
「よし、この者らの能力(ちから)を取ったぞ・・・」
 そして殺害しようとしたその時・・・。
「やめてえ!!」
 何処からか火炎放射が放たれた。武装の能力(ちから)と奏子の羽衣から吸い取った防御能力で跳ね返した。
「力を蓄えたな、レーニン」
「貴様ら、追いついたのか!!」
 そこには三河口、湘木、冬田が現れた。
「あ、りえちゃあん!!」
「冬田さんっ!」
「その子を離してもらおうか」
「できるものならやってみるがいい!」
 三河口は鎖鉄球を振り回して飛行した。
「もうその(すべ)は見破り済だぞ!」
 レーニンは放電した。
(北勢田の矛の能力(ちから)だな!!)
「湘木!」
 三河口は先の行動を読んだ。恐らく自分達を電撃で戦闘不能にすると。
「おう!」
 呼ばれた湘木は斧を振り回し、木の枝を出現させた。
「ふ、そんなもの!」
 だが、電撃が効かない。
「これは
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