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FAIRY TAIL〜水の滅竜魔導士〜
百鬼夜行
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が先程負傷したファリスさんへ治癒魔法をかけている。

「どう?ウェンディ」
「大丈夫、急所は外れてる」

それを聞いてホッと胸を撫で下ろす。ただ、周りを見てもセレーネの姿はない。それどころか、俺たちのいる場所は通常の地面とは異なっている。それはまるで雲のような・・・

「ここは・・・エレンティアです」

息も絶え絶えの苦しい状態のはずなのに、ファリスさんは周囲を軽く見回しただけでそこがどこかわかったらしい。そんな彼女だったが、ウェンディの治癒のおかげか顔色が次第に良くなっている。

「ありがとうございました、もう大丈夫です。凄まじい回復魔法ですね」
「あっ!!まだ動いちゃ・・・」

治癒魔法をかけてすぐに身体を起こしたファリスさん。そんな彼女を止めようとしているウェンディだけど、彼女の傷口はすでに塞がっている。

「あれ?もしかして治癒力上がった?」
「いや・・・そんなはずは・・・」

結構ガッツリダメージを受けてたみたいだしもう少しかかるかと思ったけど、ウェンディの魔力が上がっているのかな?いや、それにしては早すぎる回復だけど。

「ここはエレンティア」
「私とファリスのいた世界」
「つーか雲の上だぞここ!!」
「雲って乗れたのか!?」

二人の言葉を遮るグレイさんとナツさん。驚愕している氷の魔導士と嬉しそうにしている火のドラゴンと対照的な反応ではあるが、そのどちらも気持ちはわかるため何とも言えない。

「これは島の一つです」
「島・・・」
「ずいぶんメルヘンチックね」
「小さい島だね〜」
「おい、セシリー」

この雲が島と言われるとすごいような物足りないような気もするけど、ルーシィさんたちはその感触を楽しんでいるようで横になってうとうとしている。

「つーかこれ、乗り物じゃねぇのかよ」
「そういうこと言うなよ・・・うぷ」
「想像したら・・・うっ・・・」

グレイさんのいらない発言により顔色が悪くなるナツさんと俺。その間に何やらエルザさんが真剣な表情でファリスさんと話しているけど、酔いが出てきてそれどころじゃない。

ゴゴゴゴゴ

ウェンディが大丈夫なんだから気の持ちようなんじゃないかと思って深呼吸などをしていると、下の方から大きな音が聞こえてきてそちらを見る。

「何の音だ?」
「下の方・・・」
「海から!?」

なおも響き渡る騒音。それは海を押し上げながら姿を現した。

「な・・・」
「なんだこりゃー!!」
「手!?」
「でかーっ!!」
「こ・・・これは・・・」
「一体・・・」

海から現れたのは巨大な手。もう何を言ってるのかわからないと思うけど手と表現することしかできない。

「"手"です」
「"手"ですわ」
「そりゃればわか
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