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『外伝:青』崩壊した世界に来たけど僕はここでもお栄ちゃんにいじめられる
妹のため、弟が兄に反撃する話
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のせいでマイはほんの少しばかり危険な目にあった。」
「そう…だけど。」
「悪いのはあのクソ兄貴であって、そこのごっほ殿はなーんにも悪くねぇ、そう言いたいのかい?」
「い、いえ!」

そうしていると、ゴッホちゃんが、僕とお栄ちゃんの間に割り込んできた。

「悪いのは…ゴッホです。マスター様からは捨てられちゃいましたけど、全ての原因はゴッホにあります!舞様を責めないでください。」
「……。」
「償いは…しますから。」

そう言われるとお栄ちゃんは持っていた大筆を下ろす。
償いとは何か?
気になった僕は聞こうとするが

「あいつはまた来ます。ゴッホが舞様の夢に通い続けた痕跡を辿って。今度は対策を練って万全の状態で来るかもしれません。だから…」

それから躊躇うような素振りを見せて、ゴッホちゃんは言った。


「二度とここに来られないよう、あいつが二度と夢を見れないよう、やつの夢の世界をゴッホがめちゃくちゃにします。」

何か意を決したように言ったその言葉。
僕はゴッホちゃんのその様子が気になり、思わず聞き返す。

「それは…戻るってこと?」
「はい。マスター様の元へ戻り、あいつの夢を全て塗りつぶすのです。それこそ、ゴッホの全てを使い切ってでも。」
「…!!」

全てを使い切る、とは…
まさか…

「死ぬ覚悟の上、ってことかい?」

お栄ちゃんの出した答えに、ゴッホちゃんは無言で頷く。

「めちゃくちゃにする…まぁややこしく言わず自爆特攻と言った方が早いかもしれません。これが、ゴッホなりの償いです。」
「だめだよ!!」

自爆特攻
それを聞いて頭で考えるよりも身体が動いた。
彼女の手を握り、僕は怒る。

「ま、舞様…。」
「自爆特攻!?そんなの許さない!ゴッホちゃんは折角自由になれたのにどうしてそんなことしようって言うの!?」

葛城恋によって生み出され、一切の自由もなくゴミのように使い潰され、そして捨てられたゴッホちゃん。
せっかく得た自由を少しも謳歌することなく、死にに行くなんて…、

「許さない…僕は、絶対に。」

助けてって、言ったのに…。

「そうだよ!ここにいるみんなで行こう!僕も、お栄ちゃんやアビーもユゥユゥも一緒にいればみんなで生きて帰ってこれる!そうだよねお栄ちゃん!!」
「……。」
「舞様…。」

みんなで行けばいい。
みんなであいつの夢の世界を塗り潰そう。
そうやって案を出したけれど、ゴッホちゃんの答えは首を横に振ることだった。

「それは…出来ないのです。彼の夢の世界は、言わば彼の領域、踏み込めば霊基はたちまち汚染され、5分とかからず彼の奴隷となります。」
「…え?」
「唯一影響を受けないのは、歪んだ聖杯から生まれ、彼
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