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『外伝:青』崩壊した世界に来たけど僕はここでもお栄ちゃんにいじめられる
妹のため、弟が兄に反撃する話
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れが黄衣の王の魔力だ。素質の無い者が取り込めば、正気は削れたちまち発狂し…身体が変貌する▲
僕の言った通り、やつの身体は変貌を始めている。
パツパツに膨らんでいる身体は風船のようにさらに膨らみ、今着ている衣類を破くほどに肥大化する。
骨は消失し、身体はぐにゃぐにゃと不気味に歪んだ。
至る所に鱗が生え、人間としての姿からはどんどん離れていく。
「やだ…やだやだやだやだやだ!いたいのや!!わるいことしてないのに!!!ぼくやだ!!おうちかえる!!おうちかえるうううううううううう!!!!!」
「……。」
幼児退行まで引き起こすのは少し予想外だった。
ともかく、こいつに本当に黄衣の王の力を渡していればこうなっていた。
しかし、
「お、おぼえでろぉ”っ!!いづが…いづが必ずぅ…てめぇを…てめぇのゲロマンコをぉぉぉっ!!!」
ギリギリ正気を保っていた。
やつは最後の力を振り絞り、僕の夢から消えた。
「……。」
静寂。
爽やかな風が頬をくすぐり、ひまわり畑が揺れる。
そんな穏やかな沈黙を破ったのは
「舞様!!」
ゴッホちゃんだ。
「舞様!!お怪我は!!」
「ないよ。平気。」
駆け寄ってきたゴッホちゃんの頭を優しく撫で、にっこりとわらってみせる。
で、
「お前さんが、ごっほ殿でいいんだナ?」
「!」
そんな彼女に、お栄ちゃんが近付いてきた。
「貴方様が…舞様のサーヴァント…葛飾北斎様。」
「随分と不思議そうな顔してるナァ?どうやって入ってきたか気になるのかい?」
と、ゴッホちゃんはここで頷く。
「簡単サ。お前さんが結界を描いた≠フなら、塗り潰しておれ色に染め上げちまえばいい。」
と、自慢げに答えるお栄ちゃん。
あとから聞いた話だけど、どうやらゴッホちゃん、邪魔者が入ってこられないように僕の夢の世界に結界を張ったとのこと。
だからアビーやユゥユゥが来られなかったんだと辻褄が合う。
「塗り変えれば結界はおれのモンだ、消すも何をするもおれの自由。まぁ中々手の込んだ作品だったから、ほんの少し時間はかかっちまったけどナ。そこはさすがごっほ殿と褒めといてやる。」
「え、えへへ…。」
「って、んなこたァどうでもいい。」
大筆を手に取るお栄ちゃん。
ここで僕が咄嗟に前に出た。
「待って!」
「何でだい?そいつは敵だろう?」
「違う…ゴッホちゃんは、確かにあいつのサーヴァントだった…でも……!」
「大事な妹…かい?」
お栄ちゃんは口元をにっとさせているけど、目は笑ってない。
怒っている。
もちろんゴッホちゃんのこともだろうけど、妹だからという免罪符でゴッホちゃんを許そうとしている僕の事を。
「確かにそいつ
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