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『外伝:青』崩壊した世界に来たけど僕はここでもお栄ちゃんにいじめられる
妹のため、弟が兄に反撃する話
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まま布で絡め取り、ゴッホちゃんを奪い返した。
「…。」
「そっか、令呪のせいで喋れないんだね。」
ペンを手に取り、彼女の額をツン、と軽くつつく。
そうすると口が開き、ぜーぜーと息を吐き出した。
「あ、あぁ…舞様…。」
「必ず助けるよ。僕はキミのお兄さんだから。」
そうして彼女を地面に下ろし、お栄ちゃんにアイコンタクトを取ってゴッホちゃんを頼んだと伝える。
何も言うことなく、お栄ちゃんは頷いてくれて僕は痛みに叫ぶヤツの方へ向き直った。
「ふぅ…ふぅぅぅ…!よくも…よくも弟の分際でェ…ッ!」
のたうち回っている…かと思いきややつの怪我は既に完治していた。
ここは夢の世界…にしても、治りが早過ぎる。
ということは
「聖杯か…!!」
しなる布。
それが四方から一斉に奴へと襲いかかる。
抵抗するため令呪で何か使用するが、喉笛を布が切り裂いた。
「かひゅ」
掠れた声がし、傷口からはどくどくと血が流れ出して一緒に空気も出ていく。
酸素が逃げ出し脳に空気がいかなくなり焦る奴。
だが、それもすぐに治る。
治るのなら、
「!!」
またやればいい。
また治るのなら、また切り裂けばいい。
いくらでも治るのなら、僕はいくらでもお前を傷つけ苦しめよう。
さっき僕にしたように、
今までゴッホちゃんにしてきたように、
「…殺すのは勿体無い。そう簡単に死ねると思うなよ…!」
裂き、潰し、切り捨て、
黄色の布の攻撃はもはや嵐となって奴に襲い掛かる。
一撃一撃が肌を削り取り、五感を奪い、自由を奪う。
令呪?発動なんかさせない。
お前にはこれっぽっちの慈悲もやらない。
「うわああァ”ァ”ァ”ァ”ァ”!!!!!!!」
その再生力はお前の持っている『歪んだ聖杯』によるものだな?
なら、今だけはその再生力を呪うがいい。
死にたくても死ねず、苦しませ続ける聖杯を!
それをお前に託した、這いよる混沌を!
「…。」
そうして嵐は、ピタリと止む。
中心にいるのはそこに立ち尽くす、1人の男。
無傷ではあるが、彼はついさっきまで何百何千と殺され続けた男。
精神力も全くない、軟弱な彼の心はもう疲弊し、発狂寸前だ。
なら、
「あげるよ。」
やつの前に降り立ち、人差し指を向ける。
そして、
「黄衣の王の魔力をほんの少しだけ。それでお前の素質の無さを実感しろ。自惚れ屋。」
額を、とんと突いた。
その直後、
「う、うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!ぁああっ!?ああああああああああ!!!!!!」
奴は頭を抱えて絶叫し、のたうち回る。
「いだい…いだいいだいいだいいだいいだいぃぃぃぃ!!!」
「分かるか?こ
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