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『外伝:青』崩壊した世界に来たけど僕はここでもお栄ちゃんにいじめられる
妹のため、弟が兄に反撃する話
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つの首へし折るぞ!!大事な妹なんだろぉ?へへへ…へへへへへ!!!」

下卑た笑みを浮かべながら、ゴッホちゃんの首には奴の太い指がギリギリと食い込む。

「相変わらずの卑怯者…!!」
「このままじゃマイマイが!」

アビーとユゥユゥが援護するべく動こうとする。
が、

「待て。」

お栄ちゃんが、それを止めた。

「北斎さん!?」
「こいつはマイの問題だ。約束してやろうじゃないかクソ兄貴!おれたちはここから一歩も動かない≠オ、攻撃もしねぇ=B」

お栄ちゃんの言い放った事に、2人は驚愕する。
動くなとは、攻撃すらしないとは何か。
しかしそれでいい。

これは、僕の問題。
お栄ちゃんはそれを分かってそう言ってくれた。

それに、

『言われたんだ…。』
「あ…?」
『助けてって…言われたんだ!!』

次の瞬間、分厚い雲が一気に切り開かれ、快晴の空となる。
そうだ。夢の支配権はまだ僕が持っている。

『お前からゴッホちゃんを救う。兄として妹を助ける!そう決めたんだ。』

緑が生い茂り、育ち、また一面のひまわり畑が咲き乱れる。
そして、

(ここ)なら境界線も曖昧サ。なるんだろう?」

その場に座り込み、あぐらをかいてそういうお栄ちゃん。

そう、なるんだ。
僕は彼女の為に、神性を再び取り込む。

「!!」

バキィ、と何かを突き破る音がした。
音の正体は葛城恋のガワをかぶせられ、倒れて動かなくなった僕。
もぞもぞと動き、背中がパックリと割れたのだ。

「……!」
「正気が削られていくのが分かるか?お前のようなただの人間が今の僕を見れば、まともじゃいられなくなるぞ。」

出てきたのは僕。
真っ白な肌。体の各部位に巻かれた黄色の布。
腰からは一際大きな布がたなびき、やがてそれは乾いていくと二対の大きな翅となる。

各所から伸びる黄色の布が、ペンを手に取る。
ゆっくりと上げられた顔、左側は仮面で隠し、普段前髪で隠している右側は顕となり、その黄色の目が奴を映した。


「…!」
「綺麗だろう?」

その優雅な様に何も言葉が出ないユゥユゥ。
かつてその姿になった僕を遠くから観測()てはいたらしいけど、こうして目の前にするのは初めてだった。

「あれがマイの降臨者(ふぉおりなぁ)としての姿。黄衣の王の力を完全に取り込み、我がものとしたマイの晴れ姿サ。」

羽化を完了し大きく羽ばたく。
ふわりと浮き上がり、手始めに僕は

「…!!」

やつに手をかざすと、いくつもの布が伸びていく。

「な、なんだこいつ!?痛い!!やめろぉ!!」

伸びて行った布は奴を貫き、切り裂き、血飛沫と悲鳴を上げさせる。
そしてその
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