暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第152話:蘇る過去からの憎悪
[2/7]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
爆弾が紛れ込ませられていた事が原因で崩れてしまった訳だが。
「無事だったんだな、ソーニャ……」
「えぇ……あの後色々とあったけど、どさくさに紛れて何とか逃げられて。……あの、2人は?」
「アタシと透は、アイツらに掴まっちまって……」
透とクリス、ソーニャは少し離れたところに移動し、旧交を温めていた。と言ってもクリスとソーニャの間に流れる雰囲気はハッキリ言って重い。それも当然か。ソーニャには雪音夫妻を死に追いやった間接的原因と言う負い目があるし、クリスの方にもそんな彼女に罵倒を投げ掛けてしまったと言う負い目がある。当時は透が間に入りクリスを宥めたりしたが、完全に仲直りする前にクリスと透が武装組織の捕虜となってしまったので有耶無耶に終わったままだった。
故にクリスもソーニャも、互いに何と言えばいいか分からず簡単な事後報告・近況報告をするのが精一杯であった。
そんな中で、臆せずソーニャとの再会を喜んだのが透だ。彼は彼女の無事を喜び、そして彼女に弟が居た事をここで初めて知ったと驚いた。
〔ソーニャが無事で良かった。弟が居たんだね〕
「え、えぇ……あの時弟は村に居たから……ところで透? あなた、何で……〕
筆談で会話に参加してくる透に違和感を覚えていると、クリスが苦虫を噛み潰したような顔で彼のみに起きた悲劇を端的に告げた。
「透は……アタシを連中から守ってくれて……アイツらに喉を…………」
絞り出すような声で明かされた透の身に降りかかった悲劇に、ソーニャが改めて彼の首元を見る。そこにはスカーフが巻かれて首が隠されているが、その下がどうなっているのかを想像する事は難しい事ではなかった。
それも自分が物資の中身の確認を怠った事が原因と、ソーニャは申し訳なくなり苦しそうな顔をして透に頭を下げた。
「ごめんなさい、透……!? 私、クリスの両親だけじゃなく、あなたの声まで……」
透が歌う事が好きで、将来は歌で世界中の人々を笑顔にすることを夢見ていた事は彼女も知っていた。その夢が、自分が間接的な原因となって永遠に奪われてしまった事に、ソーニャは体から空気が抜けた様に頭がふら付き目の前が暗くなるような錯覚に陥った。
自分は取り返しのつかないミスを犯してしまった。人の命や夢を奪うなど、許される事ではない。透と今は亡き夫妻に対する申し訳なさで、息をする事も苦しくなる。
そんな彼女の肩に、透は優しく手を置き頭を上げさせた。顔を上げたソーニャの目からは涙が零れ落ちている。それを透はハンカチで優しく拭うと、優しい笑みを浮かべながらゆっくりと首を横に振った。
「え……?」
言葉も無く告げられた想いに、ソーニャがポカンとしていると彼の声なき言葉を聞き取ったクリスが代弁してやった。
「
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ