乱入
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
たまま、ウィザードへ歩いてきていた。
「ふう、やっぱり便利だね。さて、ウィザード。君に恨みはないが、少し一緒に来てもらおうか」
「何を言って……」
拒否を示そうとするが、体が動かない。
そして。
「抵抗されるのも面倒だ」
ディケイドの姿が、ウィザードの死角に消える。背後にディエンドの気配を感じながらも、全く動けない。
そして、残酷にも聴覚だけは、問題なくはたらいていたのだ。
『ファイナルアタックライド』を告げる聴覚が。
「少し、動けなくなってもらおうかな」
「! がっ!」
背中から受ける、ディメンションシュート。
ウィザードの変身を解除させ、静止の束縛からも解放されたハルトは、地面に転げ落ちた。
「がはっ!」
ウィザーソードガンを取りこぼしたハルト。その背中を、ディエンドは踏みつける。
「ぐっ!」
「君に会いたがってる人がいるんだ。一緒に来たまえ」
「ディエンド……お前たちは、一体何がしたいんだ!?」
「僕は僕が欲しいお宝を手に入れる。君が交換条件になっているだけだよ」
生身の体に、再びディエンドの足が突き刺さる。
肉体の限界を超えた痛みに、ハルトは意識を手放した。
「よっと」
ディエンドが、気絶したハルトを肩にかけた。すると、彼の懐から、白い紙が零れ落ちていく。
落ちた紙に目を落とすことなく去ろうとするディエンドだが、その前にと狂三は冷たい声を上げた。
「お待ちなさい」
狂三は同時に発砲。それはディエンドライバーで防がれたが、ディエンドは足を止め、狂三へ目線を投げた。
「驚いたな。このタイムジャッカーの力は、そう簡単に解除できるものではないんだけど」
「時間操作系の能力ですわね? それでしたら、わたくしに通用するはずもありませんわ」
ディエンドの時間支配から逃れた狂三が、冷たい目でディエンドへ銃口を向けていた。
今、時の精霊を操る力の象徴である左目は、針を回転させている。それにより、時間停止の中であろうとも、狂三は通常の時間流と同じく動くことが出来るのだ。
「わたくしの邪魔をした罪は重いですわよ」
「……確かに、君になら通じなくてもおかしくないか、時崎狂三。君の相手をするのは疲れるんだが」
「わたくしを……?」
「知っているさ。識別名ナイトメアの精霊、時崎狂三」
ディエンドは肩を落とし、作業的にカードを取り出す。
「悪いけどここは、逃げさせてもらうよ」
『アタックライド インビジブル』
発動したのは透明化の魔法。
すると、ディエンドの姿はみるみるうちに消えていく。
一瞬で消失したディエンド。狂三は意識を足元の影に向け、彼を探そうとするが。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ