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八条学園騒動記
第六百九十八話 本当に全くわからないその十四

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「しかしな」
「それでもね」
「連合ではな」
「他の宗教の人とも仲がいいし」
「そうだしな」
「もう別にね」 
 これといってというのだ。
「好戦的かというと」
「違うな」
「カルトも少ないし」
 イスラム教はというのだ。
「昔はいたらしいけれど」
「原理主義とかな」
「今はね」
「少なくとも連合じゃないな」
「そうよね」
「連合にいたらな」
 ダンは言った。
「国同士でやたらと揉めてもな」
「宗教では揉めないしね」
「だからな」
 それでというのだ。
「イスラム教もな」
「平和ね」
「本来の姿のままだな」
「そうみたいね」
「まあエウロパの連中にはな」 
 ダンは話が一段落したところでそちらに話を戻した。
「薩摩弁はな」
「いいわね」
「一度な」
 こうも言うのだった。
「ギルフォード総統にな」
「薩摩弁で話しかけるのね」
「そうしてみたいな」
「あの悪党絶対にどの国の言葉かって驚くわね」 
 七海は笑顔で話した、連合ではエウロパ総統は無条件で悪人とみなされギルフォードは歴代でもブラウベルグと並ぶまでにそうなっているのだ。
「それこそ」
「そうだな、そういえばな」
「そういえば?」
「あそこの初代総統のブラウベルグはな」
 そのギルフォードと並んで嫌われ悪人とみなされている彼はというと。
「日本語が大嫌いだったらしいな」
「そうなの」
「全くわからないと言ってな」 
 日本語がというのだ。
「文字が何種類もあって文法も他の言語と違ってな」
「それでなの」
「本当にな」
「わからないって言っていて」
「嫌いだったらしいな」
「そうなのね」
「そんな奴に話しかけてみたいな」
「そうね、薩摩弁でな」
「本当にね」
 こうしたことを話した、そして騒動が起こったのだった。


本当に全くわからない   完


                 2023・1・2
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