第六百九十八話 本当に全くわからないその十一
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「マウリアを介してな」
「そうなるわね」
「死刑にならないだけましだな」
ダンはこうも言った。
「工作員とわかってもな」
「そうよね」
「これがサハラだとな」
この国の場合はというと。
「もうな」
「工作員はね」
「即刻死刑だ」
わかった時点でというのだ。
「そうすべきだ」
「変に情けはかけずに」
「エウロパの連中でな」
そしてというのだ。
「しかもな」
「工作員ならね」
「もうな」
「容赦なくなのね」
「死刑でいいだろ、テロとかな」
「それの煽動をね」
「してな」
そうしてというのだ。
「連合を乱すからな」
「そんな連中だからな」
「もうな」
それこそというのだ。
「容赦なくな」
「死刑ね」
「それでいいだろう」
ダンはさらに言った。
「エウロパは敵国だからな」
「それ大きいわね」
「敵ならな」
「容赦無用ね」
「七海もそう思うな」
「いや、私は捕まえたら」
七海は自分の考えを述べた。
「エウロパに返して欲しかったら」
「それならか」
「どれだけ渡せとかね」
「身代金か」
「それを要求すればいいのよ」
こう言うのだった。
「そうしたらね」
「何かそれって」
彰子はその話を聞いて言った。
「ルシエンが言ってたけれど」
「彼が?」
「そう、トルコではね」
「そうしてたの」
「そうみたいよ」
オスマン=トルコのやり方だ、戦争で捕虜を得ると相手国に要求しそのうえで捕虜を返していたのである。
「これがね」
「昔からあったのね」
「こうしたやり方はね」
「そうだったのね」
七海は今知ったという顔で頷いた。
「トルコもやるわね」
「いいやり方よね」
「ええ、下手に処刑するより」
「その方がね」
「利益得られるわね」
「ちなみに無視されたらね」
身代金を要求してというのだ。
「その時はね」
「殺したの」
「いや、奴隷にしてたの」
この時はというのだ。
「それならそれでね」
「殺さないで」
「それでね」
そのうえでというのだ。
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