第六百九十八話 本当に全くわからないその十
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「それで?でね」
「終わりか」
「別に何も思わないわ」
エウロパの者達に嫉妬されてもというのだ。
「正直言って」
「どうでもいいな」
「ええ、嫉妬したいならどうぞよ」
「貴族共にもだな」
「何か爵位がものを言うらしいけれど」
エウロパではというのだ、事実爵位によって統治出来る規模が定められかつ様々な敬称も加えられているし待遇も変わる。
「所詮は、よね」
「皇帝には敵わない」
「貴族だとね」
「皇帝は王の上に立つが」
「貴族って王様の家臣よね」
「そうした立場だ、皇帝から見れば」
それこそというのだ。
「十把一絡げのな」
「そんな存在ね」
「そうだ、まあ連合に貴族はいないからな」
「余計にかしらね」
「それで?となるな」
ダンはクールに言った。
「あちらのことは」
「そうなのね」
「そうだろうな、しかしな」
「しかし?」
「エウロパの連中が日本に入っても」
またこう言うのだった。
「言葉には苦労するだろうな」
「特に方言に」
「薩摩星系のものだともうな」
「真似出来ないわね」
「日本人でも苦労するんだ」
聞き取る時点でとだ、ダンは思いながら話した。
「そうなるからな」
「エウロパの連中だとね」
「まずな」
それこそというのだ。
「無理だ」
「そうよね」
「若しエウロパの工作員が薩摩星系に入るとな」
そうしたらというと。
「もう言葉でわかるな」
「エウロパの工作員だって」
「絶対にな」
「そうなるのね」
「そう思うと方言の訛もな」
これもというのだ。
「いいな」
「役に立つのね」
「何でも余所者に話をわからない様にしてだ」
話を聞かれてもだ。
「そしてその余所者を見分ける」
「その為の方言ね」
「あちらの言葉はな」
薩摩星系の方言はというのだ。
「江戸時代のそれはな」
「そうだったから」
「今もな」
「役に立つわね」
「銀河語を喋ればいいが」
連合の公用語をというのだ。
「そうでないとな」
「ばれるわね」
「下手に真似をしてもな」
「真似しきれなくて」
「わかる、そして工作員とわかれば」
その時はというと。
「即座にな」
「逮捕ね」
「そして強制送還だ」
エウロパにというのだ。
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