第七十七話 海の家から移りその六
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「兎に角ギャンブルはね」
「自分が賭けると損をする」
「儲かるどころかね」
「そうなるもので」
「しないにね」
「越したことはないわね」
「本当にそう思うわ」
五人で新しいアルバイト先に行く電車の中でこんな話をした、そしてそのアルバイト先に入るとだった。
海の家の店長がそのままいて五人に言ってきた。
「今日からはこっちでお願いね」
「はい、お願いします」
五人で頭を下げて応えた。
「今日からも」
「こちらもね、売るのはアイスとかき氷よ」
店長は売るものの話もした。
「お客さん来たら宜しくね」
「はい、ただ」
一華は応えつつ店長に尋ねた。
「店長さん今も水着ですか」
「プールサイドだからね」
店長は平然と答えた、頭には阪神タイガースの帽子黒と白の縦縞のそれがあってだ。
黄色いティーシャツの下は黒ビキニ一枚だ、その恰好で応えたのだった。
「だからね」
「その恰好ですか」
「休憩は行ったらプールで泳ぐし」
「そうされますか」
「ええ、もうシャツ脱いだら」
それでというのだ。
「すぐにね」
「泳げるんですね」
「そうなのよ」
「そうですか、ですが」
一華は店長の水着姿を見つつさらに言った。
「これまた随分と」
「刺激的な恰好だっていうのね」
「店長さんスタイルいいですし」
「ナンパされたりとかなのね」
「されません?」
「今はプール誰もいないし男の人来たらね」
店長は何でもないという口調で答えた。
「用意してるから」
「その時はですか」
「ええ、ズボン穿くから」
「そうされますか」
「膝までのね」
「だからですか」
「大丈夫よ、海の家ではカウンターに隠れてね」
今の様な姿でもというのだ。
「普通にね」
「見えなかったですね」
「見えないならいいのよ」
店長は笑ってこうも言った。
「あと彼氏と二人だけの時は」
「そうした格好でも」
「そうよ、水着や下着とズボンならね」
「全然違いますね」
「もう水着とか下着になると」
そうした格好ではというのだ。
「相手もついついね」
「むらむらきますね」
「あんた達が言う位だしね」
「はい、そうした気持ちにはならないですが」
それでもとだ、一華は答えた。
「やっぱり」
「気になるわよね」
「声かけられたりしないか」
「見られてもいい時もあるけれどね」
「海水浴場で言われましたね」
「けれど今はね」
プールではというのだ。
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