暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜神話と勇者と聖剣と〜
SAO:アインクラッド〜神話の勇者と獣の王者〜
2つのユニークスキルを持つ男(後編)
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「がはぁ!?」

 宙を舞うキリト。視界端には、ぎりぎりグリーンゾーンを保つHPバー。
 

「「キリト!!」」
「キリト君!!」

「くっ……」

 キリトは地面に着地すると、跳ね上がって身体を起こし、二刀を構えなおした。

 二刀流剣技、《シャイン・サーキュラー》の突進が、シャノンに迫る―――――


 しかし、キリトの《エリュシデータ》と《ダークリパルサー》、その二本の剣の刃は、シャノンには届かなかった。

「――――っ」

 またしても、《ビット》だった。

 十を超える数のビットが、二本の剣の刀身をしっかりと抑えつけている。

「くそっ!」
「おや、遅いよ?キリト君」

 戦慄する。

 いつの間にか、シャノンはキリトの真後ろに立っていた。

「なんで……っさっきまであんなに遠くに――――」
「だ〜か〜ら〜……レベル278なめるなって」

 とにかく逃げなければ……キリトは二刀を引かせようとする。

 しかし、無数のビットたちはいつの間にか剣だけでなく、キリトの足や腕、胴体までを押さえつけていた。

「くっ……!?」
「Goodnight,《黒の剣士》」

 シャノンの二本の巨剣が、金色の光を宿し、振り下ろされ―――――


 漆黒の大剣に阻まれた。


「ハザード!?」

「――――何のつもりだい」
「そこまでだ、シャノン。キリトを殺すつもりだったな?」
「……冗談。そんなワケないでしょ?」

 するとシャノンはおとなしく巨剣を背中に収め、そしてビットたちを下がらせた。

「あ〜あ。もっと遊びたかったのになぁ。ハザードにとめられたら仕方ないか。……まぁイイや。あ、そうだセモン」
「……何だよ」
「今度は君とも戦いたいな。君なら僕の挑戦を受けてくれるでしょ?まっすぐすぎる生き方が君に不幸をもたらすって教えてあげるよ」
「―――――!!?」

 セモンが怒りで顔を染める。

「なんだと!?」
「あはははははは!それでこそセモン!――――じゃぁね、キリト君。みんな。また会おう!」

 あははははは!あははははははははは!!!

 と、シャノンの哄笑が響き渡る中、彼は再び崖の上にジャンプで着地すると、そのまま走り去ってしまった。
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