第十幕その二
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「僕もお話を聞いてわかったよ」
「そんなオオサンショウウオとは」
「絶対に付き合えないよ」
「結婚出来ないね」
「性格が悪い相手とはね」
「そうだね、自分しかない相手とはね」
「一緒になれないね」
先生のお言葉に頷きました。
「それじゃあ」
「これから来る娘はとてもいい娘だから」
「僕は幸せになれるね」
「きっとね、そしてね」
「そして?」
「末永くね」
先生はこうも言いました。
「一緒に暮らすんだよ」
「ただ幸せになるだけでなくて」
「そうだよ、その幸せをね」
「ずっとだね」
「一緒に育んでいくんだよ」
「そうだね、幸せは長くあってこそだよね」
オオサンショウウオは先生の言葉に頷きました。
「そうだよね」
「そう、だからね」
「僕達もだね」
「末永く幸せにね」
「そうなる様にするよ、それじゃあ先生もね」
オオサンショオウウオはお水の中から先生を見上げて言いました。
「幸せにね」
「もう僕は最高に幸せだからね」
先生も笑顔で応えました。
「その幸せがずっと続く様に努力していくよ」
「もっと幸せになれるよ」
「そうなるかな」
「きっとね」
こう言うのでした。
「先生が気付いたらね」
「あれっ、君もそう言うんだ」
先生はオオサンショウウオの言葉におやというお顔になって応えまいsた。
「もっと幸せになるって」
「そうだよ、気付いたらね」
「今で最高に幸せなのに」
「そうだよ、だからね」
それでというのです。
「気付くことだよ」
「僕は」
「うん、先生はもてるね」
「いや、僕程もてない人間はいないよ」
相変わらずの返事でした。
「この世にね」
「そう言うんだ」
「君にも言うけれどこの外見で運動音痴で」
「それでなんだ」
「家事も世事も全くだからね」
そうした人だからだというのです。
「もてないよ」
「そうかな」
「事実僕は全くもてたことがないから」
「それでなんだ」
「そうしたことはないしそれにね」
先生はさらに言いました。
「沢山のいい人が周りにいてくれているから」
「それでなんだ」
「今もね」
それこそというのです。
「最高に幸せだから」
「その幸せがなんだ」
「ずっと続く様にね」
「していくんだ」
「その様に努力していくよ」
「ううん、先生は無欲だね」
ここまで聞いてです、オオサンショウウオは思いました。
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