281 妖術を打ち破れ
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でようやく壁を全て打ち破った。
「やったブー!!」
「あの女はどこだ!?」
しかし、皆は妲己を逃してしまった。大野は通信機を取り出す。
「こちら大野けんいち!狐に変化する奴と藤木達を取り逃がしちまった!」
『解った!こっちも探すよ!!』
おっちょこちょいの杖の所有者が応答した。
藤木はりえと共に鳳凰に乗っていた。
「ちょっとっ、降ろしてよっ!」
「ごめんよ!僕は君を守りたいんだ・・・!!」
「私を守りたいんなら今私を降ろしてっ!!」
「う・・・」
藤木は迷った。ここでりえを降ろしたら自分には何が残るのか。
「どうしたのっ!?できないのっ!?藤木君はやっぱ・・・」
「わ、解ったよ、降ろすよ!!」
藤木は鳳凰に下降するように命じた。しかし鳳凰はなかなか降りようとはしなかった。
「な、降りてくれ!」
「茂様!!」
藤木は下から遊女の声が聞こえるのを確認した。
「う・・・!!」
藤木はここで降りるとりえは解放されない。しかし、自身の安全ならここで降りたい。ジレンマに悩まされる。
「くう・・・」
「あ、そこにいるの、藤木君じゃない・・・!?」
「え・・・?」
藤木は振り向いた。その場には高校生の女子一名、男子二名の合計三名がいた。
「藤木君、覚えてる?笹山かず子ちゃんの知り合いよ」
「あ、あの・・・」
藤木は思い出した。嘗て笹山の知り合いが通うという高校の文化祭で会った人・徳林奏子だった。
「藤木君、いなくなってかず子ちゃんが心配してたわよ。藤木君の友達もいるから戻ろう」
(ここで、戻る・・・?もしかして、僕はまた・・・)
藤木は元の世界に戻ってもただ皆から卑怯者と軽蔑・非難される毎日が来ると思っていた。そうなると・・・。
「り、りえちゃんなら返すよ・・・。僕は、戻りたくない!!」
「え?」
「帰ってください!僕はもう笹山さんの事は忘れたし、もう卑怯呼ばわりされたくないんだ!!」
「藤木君・・・」
奏子は藤木の意見に呆然とした。
「徳林さん!」
「え?」
北勢田に呼ばれて奏子は我に返った。下の方から遊女が攻撃を仕掛けている。奏子は乗っている羽衣で防御した。
「こいつら!」
北勢田は矛で強力な電撃を放電した。多くの遊女が攻撃される。
「や、やめてくれ!!」
「あ!?」
「その人達は僕の大事な人なんだ!」
「馬鹿言え、お前は敵に自分を売ったのか!?」
北勢田は怒鳴り返した。
「う・・・」
「こいつらは赤軍って奴等と手え組んで日本を戦争の道に進めようとしてんだよ!」
「そ、そんな・・・」
その時、りえは羽衣に飛んで乗り換えようとした。
「り、りえちゃん!!」
だがその時だった。
「な、何だ!?俺の矛が・・・」
「俺の剣も効かないだと!
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