1−2話
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「ご、ごめんなさい。」
女の人はウチが泣き止むまでずっと抱きしめていたので服が…その…ウチの涙とか…鼻水で汚れてしまっていた。
「ん?ああ。ええ、ええ。大丈夫やよ。そんな事よりウチの方こそ、あんさんの事何も知らんのに好き勝手言ってすまなかったなぁ」
最初は何について謝っているのかわからないって顔をしていたけど、ウチの視線でわかったのか軽い感じで許してくれた。それに何故か謝られた。
「そ、そんなこと…。おばさんのせ」
ゴン!!!!!
「〜〜〜〜〜〜〜」
また殴られた。今までで一番強かったんじゃないんだろうか、凄く痛い。
「お・ね・え・さ・んや。わかったか?」
優しかったお姉さんが急に恐くなった。ウチは頭をおさえて必死に何度も頷いて見せた。そのおかげか許してくれたのかお姉さんは怒りをおさめてくれた。だけど、その目は「二度目はありまへんで」と語ってた。
この時この人を呼ぶ時は呼び方に気をつけようと心に誓った。
「そんなんお姉さんのせえやない。ウチが弱いから……」
「さっき言ってたな。あんた、強うなりたいんか?」
ウチが俯きながらさっきの続きを言ったら、お姉さんは真剣な趣で聞いてきた。
そんな答えなんてずっと前から決まってる。
「…なりたい。ウチの事みんなに認めさせるために力が、一人でも生きていく力が欲しいんや」
そう言ってウチはお姉さんの目を真っ直ぐと見た。お姉さんも何も言わずにウチのことを
見ていた。
何分そうしていたのだろう。実際のところは一分もたっていないのかもしれない。それでもこの場の張り詰めた空気がウチに長い時間がたったかのように思わせた。
「はぁ〜」
唐突にため息が聞こえた。そのためさっきまであった張り詰めた空気もどこかえいってしまった。
「あんさん、名前なんて言いはるんどすか?」
「…桜咲刹那」
「そっか。刹那はんか。ウチはな、青山鶴子。よろしゅうな。
と、そないなことやなくて、ウチな京都神鳴流言う剣術をやってるんやけど、あんたも習ってみんか?ウチが教えたるで」
「…剣?それで強うなれるん?」
「そらあんた次第や。辛くても努力して強うなるのも、腐って剣を捨てるのも。どないしはるん?」
「…やる。強うなれるならなんだってやる!」
「直ぐに強くなれるわけやない。それに修行はきついで。それでもやるんか」
「どんなに辛くても耐えてみせる。それで力が手に入るのなら…。うちは一人でも生きていけるよう強うならなあかん」
「…わかった。刹那はん、ウチがあんたを強うしてやる。
せやから、今日からウチがあんたの師匠や。ウチは厳しいえ〜。しっかりついてきなはれ!」
「はい。師
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