1−1話
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の人急にでてきて言いたい放題言って、ウチは混じり者や。しかたないやん、ウチにはどうすることも出来へんのに…。好きでこんな事誰もせえへん。それくらい少し考えればわかるやろうに。もう大人なんやし。それなのに悔しくないかなんて聞いてきはるなんて…。ホンマこの人いい性格してはる。
そんな答えなんて聞かなくてもわかっとるくせに聞いてくる。その答えで正解なのに。ウチの答えと同じなのに目の前の人はウチがその答えを口にするのを待っとる。だからウチは…
「…悔しくないわけないやろ。」
「ウチが何したんや!ウチは何もしてへん!それなのにみんな、みんなウチを禁忌の子やからって、そないな理由で仲間外れにして、終いには暴力や。だからといってウチにどうしろっていうんや。やり返したってもっとひどくやられるだけや。向こうは沢山仲間がいるんや。それなのにウチは一人きりや。助けてくれる人なんか誰もおらん。
…ウチは…弱いから一人じゃあ、どうすることも、できへんから。あ、あいつら全員、相手にできるぐらい、強ければ、それだけ、力があれば……あんな奴らに、好き勝手、やらせへん。でも、ウチは弱いから、いつも、いつも、辛くて、痛くて、惨めで…それでも、なんにもできない自分がいて。そんな自分嫌やのに。…だから変わりたいんや。こんな、こんな弱い自分なんかやめて、強くなって、いつか、いつか、あいつら全員、見返してやるんや。そんな、そんな、気持ちで、耐えるしか、ウチには、できんのや。だから…だから…ウチは……」
途中から泣き声になりながらもなんとか自分の気持ちを口にしよう思うたが、支離滅裂になってしまった。それでも、一度口にしてしまった、ずっと溜め込んでいた気持ちは止まらんかった。だから、最後の方は自分が何を言っているのかよくわからんかった。
「もうええ。…もうええよ。十分や。」
ウチは女の人に優しく包み込むように抱きしめられてた。
こんな事されたのは久しぶりや。うっ、まずいわ、さっきから泣きそうになってばかりやわ。きっと、さっき頭殴られたとこが痛いからやな。そうや、そうに決まってる…
「辛かったんやろ。寂しかったんやろ。もう…大丈夫やから。もう我慢しなくてもええんよ。」
そないな事言われたらウチ、ウチもう我慢できへんよ。
「あああああああーーーー」
泣いた。今まで我慢してたものが一気に爆発した。どんどん溢れ出る涙は止まらなかった。
女の人はそんなウチをただただ何も言わずに、頭を優しく撫でながら、優しく、暖かく、抱きしめてくれた。
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