1−1話
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部類に入るであろうその顔は無表情でまるでこちらを見下すように見ていた。背中には何か布でくるんだ長い棒みたいのを背負っていた。
「なに、あんた?」
その問で我に帰る。その言葉は女の人に投げかけられた物だと即座に理解した。
「ウチの事なんてどうだっていいんです。あなた達は一体何をやっているんですか」
誤魔化す事は許さないというような声でもう一度同じことを言っていた。
「っっ、あ、あんた誰や。里のもんじゃないやろ。
何も知らないよそ者が口だすなや。」
「そうだ!そうだ!よそ者がでしゃばるな!」
「そいつはな禁忌の子なんだぞ!」
「…で?」
「「「ーーーーッ!」」」
「失せろ」
怒りがこもった声がした。それを聞いた子達はびびってしまいすぐに何処かへ逃げてしまった。
その気持ちはよくわかる。だってあの声、本当に目の前の女の人が出したのか疑いたくなるぐらい恐かった。ウチだって今すぐこの場から逃げ出したい気持ちでいっぱいだし。
それでもこの場に居るのは別にぶたれたところが痛いわけやない。恐い女の人がこっちを見ながら歩いてくるからや。
あぁ、これが蛇に睨まれた蛙の気持ちなんやな。
…こんなん知りとうなかった。
ゴン!!!
「いっっったぁ」
馬鹿な事を考えてたらいつの間にか女の人が目の前にいた。この痛みは女の人に頭を殴られたのだ。しかもグーで。
自分でも何が起こったのかよくわからんかった。
この人は…もしかしたら…ウチの事を……その……助けてくれたのかな、
なんて少しだけ、ほんの少しだけ思ってしまった。
ははっ、笑える。そんなんあるわけないのに。少しでも期待してしまった自分が恥ずかしい。
…ウチは禁忌の子なんや。だから嫌われ者で誰もウチの事受け入れてなんてくれないんや……
うっ、そんなことを考えてたら涙が出てきてもうた。
「あんさん、何やられたい放題やられてはるんどすか?男ならやり返してみい」
「…ウチ男やない。」
「そんな細かい事は気にしないでいいんや。ウチはやられっぱなしで悔しくないんか聞いてるんや。」
細かい問題やないと思ったんやけど口には出さないでおく。言える雰囲気やないし、言ったら何されるかわからんし。
……またぶたれるのが目に見えていたから。
「……でも、しかたないんや。ウチはこの里やと嫌われ者やから。みんなあんな感じやし…あんなんいつものことやし……」
ゴン!!!
「うっ」
またぶってきた。それもグーで…もういやや。
「そないな事聞いてへん言うてるやろ。あんな事されてあんさんは悔しくないんか!」
「…………」
「どうなんや」
なんなんやこ
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