女湯編 エージェントガール&レジスタンスガールズ 後編
[8/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
『自由』を守るために戦って来た」
「……」
「私達人間には選ぶことが出来る。何が正しいかではなく、何が望ましいかで考える『自由』がある。それは重い責任を伴うことだけれど……その責任なくして、人は人として生きて行くことは出来ない」
何が正しいか、何を選ぶかという「自由」。それを当然の権利として享受出来る尊さに気付かされ、ハッと顔を上げたニッテは――やがて、「決意」に満ちた表情に染まって行く。
仮面ライダーが命を賭して守り抜いた「自由」を、決して壊されてはならない。戦いが終わった後も、この世界で生きて行く自分達が、何としても守り通して行かねばならないのだと。
「あなた達ならきっと、選べるわ。本当に正しいかどうかは問題じゃない。それが正しいと、胸を張って心から信じられること。その道を選ぶ『自由』を行使すれば、きっとあなた達は望んだ未来に向かって行ける。私も、そう信じてるわ」
「は……はいっ!」
「……そうよね、真凛」
「え? ヘレンさん、何か言いました?」
「ふふっ……別に、何でもないわ」
そんなニッテの貌に微笑を浮かべるヘレンは、彼女の肩を抱いたまま踵を返し、共に祝宴の輪へと歩み出して行く。
リーダーのニッテが戻って来たことに加え、国民的英雄のヘレンまで参加して来たことにより、祝宴の喧騒はさらに賑やかなものになって行くのだった――。
◆
――そして。新世代ライダー達とノバシェードの戦いが終結を迎えてから、さらに約2年が過ぎた2023年6月頃。南雲サダトと番場遥花の婚約が正式に決まったこの時期、かつて新世代ライダーとして世界各地で戦っていた男達は、人生における大きな転換期を迎えていた。
かつて「仮面ライダーボクサー」と呼ばれていた南義男警部と、「仮面ライダーイグザード」こと熱海竜胆警部の2人は、共に「仮面ライダー」として戦っていた男達のために、東京の高級ホテルを借りて「婚活パーティー」を催していたのだ。
ノバシェードとの戦いが終わり、仮面ライダーとして戦うことも無くなったのだから、そろそろ結婚の素晴らしさというものを仲間達に教えてやりたい。そんな2人の思惑から始まったこの婚活パーティーには、身を固めるどころか恋人すら作っていなかった「独り身の男達」が集められていた。
元新世代ライダーである男性陣の多くは、このパーティーにはあまり乗り気ではなかったのだが、義男と竜胆の熱意に押し切られてしまったのである。一方、彼らの名声に釣られた「お相手」の女性達は、ノリノリでこのパーティーに参加しようとしていた。
ところが。パーティー当日になって突然、その女性達が全員「一身上の都合」とだけ言い残し、参加を辞退してしまったのである。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ