女湯編 エージェントガール&レジスタンスガールズ 後編
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ッテが問おうとしていることを表情から察し、静かに言葉を待っている。
「……ヘレンさんは……受け入れられますか? 仮面ライダーが……その、要らなくなった世界なんて」
そんなヘレンの前で力無く俯き、ニッテはか細い声を絞り出す。気丈な振る舞いで解放戦線を率いていた頃からは想像もつかない、弱々しい声だった。
その言葉に暫し沈黙した後、ヘレンはぷっくりとした艶やかな唇を開き、答えを口にする。それはニッテにとって、思いもよらないものであった。
「そうね……半々、ってところかしら」
「半々?」
「嫌だと思う気持ちもあるし……楽しみに思う気持ちもある。不思議よね」
「楽しみ、ですか……?」
仮面ライダーが居なくなった世界を楽しみだというヘレンの言葉に、ニッテは困惑と悲しみの表情を浮かべる。「仮面ライダーケージ」こと鳥海穹哉に惹かれていたニッテにとって、それは決して容易に受け入れられる言葉ではなかった。
「私はいつか、会ってみたいのよ。戦士ではなく、1人の人間として生きられるようになった彼らに。きっとそれが……私が1番に知りたい、本当の彼らだから」
「本当の……」
だが、ヘレンの言葉は仮面ライダーとして戦い抜いて来た者達を否定するものではなく。むしろ、彼らの仮面の下にある素顔を求めての言葉だったのである。
「それともあなたは、カッコ良く戦ってくれる戦士としての彼らじゃないと嫌なのかしら? 仮面ライダーじゃなくなった彼らなんて、頼りなくてカッコ悪い?」
「そ、そんなことないです! 私だって知りたい……! あいつらのこと、もっとちゃんと知りたいんですっ! あいつら、戦いが終わった途端にロクに休みもしないで行っちゃうんですからっ……!」
「そうね……その気持ち、痛いほど分かるわ。それなら……いつの日か、嫌というほど知りに行けばいい。彼らが守り抜いてくれたのは、そういう『自由』なのだから」
「自由……」
嵐のように戦ったかと思えば、風のように去ってしまう。そんな仮面ライダーの生き様に散々困らされた女の1人として、ニッテに深く共感していたヘレンは、彼女の細い肩を抱き寄せると――95cmの巨乳に、106cmの爆乳をむにゅりと押し当てる。たわわな果実が密着し、その隙間からは極上のフェロモンが匂い立っていた。
彼女の口から紡がれた「自由」という言葉を噛み締めるニッテは、愛する男がこの救いようのない世界で戦い続けて来た意味を考え、神妙な面持ちで目を伏せる。
「かつて、正規の対テロ組織として創設された旧シェードがそうだったように……正義の意味なんて、時代の流れでいくらでも変わる。けれど、何を選ぶかという『自由』だけは、例えどんな時代だろうと、どんな正義があろうと犯されてはならない。だから彼らは人間の正義ではなく、
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