女湯編 エージェントガール&レジスタンスガールズ 後編
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ルコシアン隊の再来と呼ばれるようになったニッテ達だが。彼女達はマルコシアン隊とは違い、誰一人欠けることなく生き延びることが出来た。そして銃を捨てたことにより、闘争に生きる道からも解放された。
この分かれ目が彼女達の運命を大きく変え、より良い未来に繋げて行くのだと、ヘレンは確信している。彼女達は、滅びに向かっていたマルコシアン隊の再来などではないのだと。
(何より……そんなことを「彼ら」が望むはずがない。「娘」の幸せを願わない「父親」なんて、居るはずがないのだから)
ジークフリートの部下として旧シェードに立ち向かい、命を散らしたファルツ中佐。バレンストロート大尉。ロスマン中尉。そして、イェンセン少尉。彼らは皆、優秀な軍人であると同時に1人の父親でもあった。
彼らの忘れ形見となった愛娘達の幸せこそが、父親としての本望であると信じるならば。最後の最後で銃を捨てることが出来た彼女達の決断は、最大限に尊重せねばならない。マルコシアン隊の隊員達が遺した孤児達の未来が、悲惨なものであってはならない。
その一心でニッテ達を出迎えた時から、ヘレンは独り固く誓っていたのである。彼女達のような子供が、もう2度と銃など握らなくても良い未来を築かねばならないのだと。
――そんなヘレンの決意は、彼女自身の「過去」にも関わっていた。ジークフリートの顛末は、彼女の「先輩」だったとある女性捜査官のそれを想起させるものだったのである。
(行き過ぎた正義の意志と力は、ジークフリート・マルコシアンや彼女のように、望まれない未来を引き寄せてしまう。……ライダー達もその恐ろしさを理解していたから、あの子達に銃を捨てさせたのね)
かつての「先輩」だった、ノバシェード対策室の元特務捜査官――真凛・S・スチュワート。新人時代のヘレンに近接格闘のイロハを教えた「師」とも言うべき存在であり、ヘレン以上の美貌と抜群のプロポーションを誇る才色兼備の女傑であった。
水中からの潜入任務を得意とし、槍術においても右に出る者がいない、対策室きっての武闘派。そんな彼女の「容姿」は特務捜査官とは到底思えぬほど妖艶であり、その匂い立つような色香は娼婦のそれすらも遥かに凌いでいた。もはや、淫魔そのものと言っても良い。
長いまつ毛に、鋭くも蠱惑的な眼差し。整い尽くされた目鼻立ちに、扇情的な甘い吐息を吐き出すぷっくりとした唇。同性であるヘレンでさえ、思わず生唾を飲んでしまうほどの色香の持ち主。男を狂わせる魔性のフェロモンを、瞳から、唇から、そしてその身体から振り撒く対策室最強の元エース。それがヘレン・アーヴィングの知る、真凛・S・スチュワートという女であった。
ウェーブが掛かった黒髪のロングヘアに、スラリとした18
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