女湯編 エージェントガール&レジスタンスガールズ 後編
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かつて、この某国が旧シェードに侵略された時。改造人間が相手であろうと臆することなく立ち向かい、多くの国民を守り抜いた英雄達が居た。
その名も「マルコシアン隊」。約12年前の2009年当時、陸軍最強の武人と謳われたジークフリート・マルコシアン大佐が率いていた精鋭部隊だ。彼らが命を賭して旧シェードの攻撃に抗ったからこそ、この国は今も独立国家として存続しているのである。彼らは正しく、救国の英雄なのだ。
それ故に彼らの奮闘は今もなお、この国の歴史に深く刻み込まれている。人の身でありながら怪人の脅威に屈することなく抗った、豪傑達の英雄譚として。
――だが、その戦いでジークフリートを除く隊員は全滅。唯一生き残った彼は改造人間に対する憎悪を募らせ、行き過ぎた言動を見せるようになった。
やがて彼は軍部に危険視され、退役を余儀なくされた。表向きは右眼の負傷に伴う勇退であったが、それは事実上の「追放」だったのだ。首都のエンデバーランドに在る国立中央公園には、今も彼の銅像が聳え立っているのだが、国民はその張本人の「末路」を知らぬままであった。
その後の彼が辿った「末路」を、ヘレンはよく知っている。この国の人々が今も英雄だと信じている男が、軍部を追放された後に迎えた「末路」を。
(……あの子達がもし、銃を捨てることが出来ずにいたら。戦いから解放されていなければ。いずれは、あの男のようになっていたのかも知れない。最後の最後まで戦いに取り憑かれていた、あのジークフリート・マルコシアンのように……)
仮面ライダーGと仮面ライダーAPの活躍によって、旧シェードが滅亡した時。ジークフリートが矛を収め、憎しみを捨て去ってさえいれば。彼は名実共に、今も絶対的な英雄としてこの国の軍部を率いていたのかも知れない。彼がこの国に残っていたなら、今回のテロも早期に解決していたのかも知れない。
だが、そうはならなかった。ジークフリートは憎しみに囚われるあまり軍部から追放され、絶対的なカリスマ性を持っていたマルコシアン隊の消滅に伴い、軍部の勢いも大きく衰えた。その結果、この国の正規軍は全盛期の頃から大幅に弱体化し、ノバシェードのテロを阻止出来なくなっていたのだ。
かつての救国の英雄は、真相を知る上層部にとっての触れてはならない禁忌の存在となり。その追放と引き換えに、正規軍はかつての精強さを失った。その判断の代償は、あまりに重いものだったのである。
そんな窮地からこの国を実質的に救ったのが、ニッテ達――「オーファンズヘブン解放戦線」だったのだ。それを思えば、彼女達がマルコシアン隊の再来と呼ばれたのも、頷けることではあった。だが、ヘレンはその現状を良く思ってはいなかった。
人の身でありながらノバシェードを退けたことで、マ
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