第七十六話 愛国心その六
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「類は友を呼ぶ」
「それでなのね」
「いい人とはね」
「お付き合いしてないのね」
「そう、人って自分と同じレベルの人とね」
「お付き合いして」
「それであの人もよ」
その漫画原作者もというのだ。
「そうしたね」
「碌でもない人達としかなのね」
「日本で言う運動家ね」
「学生運動やってたみたいな」
「そんな人達としかね」
「お付き合いなくて」
「それでね」
そのうえでというのだ。
「ああしたキャラクターしかね」
「出せないのね」
「人格者っていないでしょ、あの作品」
「あの作品の人格者って」
そう言われてる人物はとだ、かな恵は自分のその作品についての記憶を辿ってそのうえでウェールズの娘に話した。
「主人公のお父さん?」
「ライバルでもある陶芸家のね」
「美食家のね」
「お店でお口に合わないとまずい食べものじゃないって喚いて」
ウェールズの娘はそのキャラクターの行いを述べた。
「お料理投げて些細なことで切れて傲慢で人を見下してる人が?」
「あの作品ではね」
「人格者ってね」
「誰も思わないわよね」
かな恵は自分から言った。
「やっぱり」
「主人公と同類でしょ」
「親子で」
「まさに似た者同士のね」
「そんな親子ね」
「息子が息子ならね」
極めて悪い意味でとだ、かな恵に言った。
「親も親でしょ」
「親が親ならって言うけれど」
「普通はね、けれどね」
「あの漫画の場合は」
「息子の方が主人公だから」
その為にというのだ。
「息子が最低のドキュンならね」
「新聞記者の権力振りかざして好き放題の」
「父親もね」
「有名な陶芸家でお金持ってる」
「その権力振りかざす」
「最低のドキュンね」
「そしてドキュンがドキュンを呼んで」
推察する原作者の人間関係の様にというのだ。
「キャラクターのほぼ全員がね」
「やたら短気で下品で無教養なドキュンね」
「そんなのなのよ」
「原作者さん自体がそうだし」
「周りもね」
「ううん、作品ってその人以上の作品は出来ないっていうけれど」
「ドキュンでドキュン以外の人とお付き合いないなら」
それならというのだ。
「作品もね」
「そうなるのね」
「そうでしょ、まあこの人変に食べもの国粋らしいけれど」
ウェールズの娘はこうも言った。
「どうせ変な考えのうえでしょ」
「やたら文明嫌いみたいだしね」
日本の左翼の特徴の一つだ、文明を発展させる資本主義や企業を嫌いなのかそれともルソーの自然に帰れという言葉そのままなのか。
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