第二十章
[8]前話 [2]次話
「最後の一人は生きていますが」
「刑務所の中ですね」
「そうです、袂を分かった形になって」
「そうですね」
「仕方ないですね」
このことはとだ、玉置は残念そうな顔で答えた。
「もう」
「お話を聞く限りそうですね」
新堂も否定しなかった。
「そのことは」
「はい、ですが罪を償ったら」
「普通にですね」
「生きて欲しいと思っています」
人として、というのだ。
「今は」
「そうですね、人であるならです」
玲花も言って来た。
「そうでないとです」
「いけないな」
「私もそう思います」
こう門田に話した。
「まことに」
「そうだな」
「はい、ですから」
それでというのだった。
「私は彼に会ったことはないですが」
「そう思っていまして」
そしてというのだ。
「願っています」
「それは有り難い、あいつもきっとな」
門田は彼を知っている者として答えた。
「そうなる」
「そうですね」
「必ずな」
「長い時間はかかる」
「ラブ〜〜〜」
カゲロウとラブコフも言って来た。
「それでも人間なら償える」
「人としての一線は越えていないならな」
「そこが大事なのよね」
芽依も考える顔で語った。
「人間であるかどうかが」
「その一線を越えると最早終わりだ」
狩崎は真顔で述べた。
「姿形はどうでも魔物になってします」
「そうですね、私達が戦ってきた相手は最後の最後で人間に戻れましたが」
「赤石長官はどうだったんだろうな」
バイスは考える物腰でソフィアに言った。
「あの人は」
「やっぱり人間だったと見ている」
狩崎は真面目な顔で答えた。
「最後の最後の一線でな」
「そうだったんだな」
「だから家族を求めた」
そうだったというのだ。
「そして倒した相手にも情けを見せた」
「あの時ですね」
牛島は狩崎の言葉にかつて家族だった彼のことを思い出して述べた。
「そう言われますと」
「あの時にあの態度を取ることはだ」
「人間のものですね」
「そう思う、確かに過ちを犯したが」
しかしというのだった。
「それでもな」
「人間だったんですね」
「ぎりぎりでな」
「そうなんだな、何か人間って何か考えちまうな」
バイスは狩崎達の話を聞いて腕を組んで言った。
「姿形じゃなくて心って言われるとな」
「そんな難しいことじゃないだろ」
五十嵐はすぐにバイスに答えた。
「要するに酷いことはしなくて思いやりがあるかだよ」
「そういうことか」
「ああ、赤石長官にしてもな」
「ぎりぎりで人間だったっていうと」
「あの人位までだとな」
「まだ人間なんだな」
「ぎりぎりでかなり許されないことをしてもな」
それでもというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ