第三十九章
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何ともなかったか、木場」
「うん、こっちはね」
「おかげで暇だったぜ」
「もう、海堂さんたら」
三人はいつもの調子だった。
「それで御前等どうするんだ?」
乾は三人にあらためて問うた。
「これからは」
「俺はとりあえず元の生活に戻ることにするよ」
木場はうつむいてそう答えた。
「父さんの会社と家が戻りそうだから」
「そうなのか」
「うん。叔父さんがね、捕まったから」
あの叔父は結局不祥事を起こして捕まったのだ。それにより木場は会社と家を取り戻すことになったのである。
「それでね」
「そうか。じゃあ人間として生きるんだな」
「うん、これからも色々あるだろうけれど」
彼は答える。
「それでも俺はオルフェノクじゃない、人間だから」
「そうか。じゃあまたな」
「うん、また会うだろうけれど」
木場は一人姿を消した。今度は三原が海堂に問うた。
「あんたはやっぱり絵か」
「楽しいぜ、これも
そう三原に返す。
「ギターはもうできねえけれどな。こっちでやってくぜ」
「そうか。それじゃあな」
「二度と会いたくないぜ。あばよ」
彼もまた姿を消す。最後に草加が長田に声をかける。
「啓太郎のところにいてもいいんじゃないかな」
「啓太郎さんのところへ」
「それはあんたの好きにしな」
そう述べる。
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