暁 〜小説投稿サイト〜
冥王来訪
第二部 1978年
歪んだ冷戦構造
F5採用騒動 その1
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
の塔に住まう鴻儒(こうじゅ)どもの絵空事にしかすぎん。
そもそも男女はその成り立ちは脳からして違う。一緒には出来ぬ」
と、マサキがこのとき、婦人解放運動に()って男女平等を尊重する意志などはちっともない。
そんな語気を出したので、将校はみな彼へ疑惑の眼をそそぎかけた。
「人種もそうだ。白色人種、黒色人種、黄色人種……
筋肉量も違えば、脳の大きさ、特定の毒物の耐性、IQも人種ごとに異なる。」
しかし当のマサキは、そんな瑣末(さまつ)を気にしていなかった。

初対面だった首相は、このとき、マサキという人間に、一見、よほど感じたところがあったらしい。
「ムッシュ木原、よおく分かりました。では我らの話を聞いていただけますね」
「よかろう」
「わが国の航空機メーカー・ダッソーにおいて開発された新型戦術機ミラージュVに関してですが……」
そういって、彼の秘書官から資料を受け取る。


 欧州の陸軍国、フランスにおいて開発された最新機ミラージュV。
その機体は、F5フリーダムファイターを元にした戦術歩行戦闘機の一種である。

 F5フリーダムファイターに関してご存じではない読者もいよう。
ここで、改めて説明をしたい。
 1973年に始まったBETA戦争における戦場の花形でもある戦術歩行戦闘機F4ファントム。
この現代の騎兵は、ソ連機mig21に多大なる影響を与えた事がつとに有名であろう。
 だが、このF4ファントムの電子戦装備や高価格な機体。
生産能力を持たぬ自由陣営に属する諸国は二の足を踏んでしまった。
日本や英国、金満国である帝政イランともかく、後進国のパキスタンやエチオピアでは整備すら難しい。
共産圏と対峙する韓国、台湾、南ベトナムなどの国家への配備も進めなくてはいけない。

 事態を重く見た米国政府は、急遽ノースロップ社で開発を進めていた練習機に着目する。
新人衛士の訓練機であるT−38タロンを基に新型機を採用し、世界各国に特許情報を公開した。
 その機体こそ、F−5戦術機である。
17.3メートルと小型で軽量な機体は、欧州戦線で高く評価され、フリーダムファイターの名を得た。

 木原マサキがF5フリーダムファイターを初めて見たとき、その姿を嘆いた。
50メートルを優に超え、総トン数500トンの機体と比べると、あまりにも貧相だった。
自身が作った八卦ロボと比して、跳躍力も飛行時間も短く、バランスも悪い。
 またマサキ自身がこの世界に来て初めて見た戦術機は、mig21の兄弟機であった殲撃8型であった。
そして一番深く触れた機体は、訓練機であったF4ファントムのライセンス品である激震である。

 度々かかわらざるを得なかったのはMIG-21バラライカであった。
ユルゲンの対BETA戦闘デ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ