新たな力
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と共存できてました」
「ぬかせ!!」
そう言った途端、彼の表情が豹変した。動揺なのか苛立ちなのかわからないが、その攻撃には先程までのようなキレも力もなく難なく交わすことができる。
「ドラゴンは全ての生物の頂点。本来、人間が我と会話することすらおこがましい」
次々に攻撃を繰り出している俺はそれを次々に掻い潜っていき、アルドロンへと迫っていく。
「俺はドラゴンに育てられた!!」
「貴様の親はドラゴンではない。ドラゴンの形をした人間だ」
なおも手を休めることなく攻撃を幾度となく放ってくるアルドロン。でも、彼の言う通りヴァッサボーネは本物のドラゴンではない。元々はただの人間で、そこからドラゴンの肉体をもらったという話だった。ただ・・・
「だったらそのドラゴンは誰よりも人間を愛していたじゃないか!!」
二つの魔法を合わせた拳でアルドロンの頬を捉える。それを受け、アルドロンも遠距離型の攻撃から接近戦へと切り替えたのか、蹴りを放ってくる。
「ならばそいつは愚かな下等種に成り下がったドラゴンだ!!」
誰よりも何よりも強く、誇り高い存在であることを証明するために拳を振るうドラゴン。動きは粗いしキレも損なわれているはずなのに、その一撃はどこか重たく感じる。
「そんなことはない!!」
「!!」
ただ、それでも俺の心を砕くことはできない。なぜなら俺はもっと重たいものを背負っているのだから。
「そのドラゴンは人を守るために戦って、そいつを倒した奴はお母さんに殺されてる!!人間がドラゴンより劣っているわけじゃない!!」
お母さんは俺とヴァッサボーネが殺されたという勘違いから目の前の襲い掛かってきたドラゴンを一網打尽にしている。お母さんは人間じゃなかったかもしれないけど、共存を望んでいたドラゴンたちと同じ意志を持っていたはずだ。
「俺はみんなの意志を背負って戦うんだ!!」
アルドロンの顔面目掛けて頭突きをし、体勢を崩してからその土手っ腹へと拳を叩き込む。その一撃はかなり効いているようで、彼の身体はふらついていた。
「なっ・・・まさか・・・」
なんとか踏みとどまろうとしているアルドロン。その顔は俺を捉えているが、何かに気が付いたのか目を見開いている。
「この魔力の感じ・・・間違いない・・・」
反撃をしてこようと力を入れたように見えたが、踏ん張りきれなかったのか膝がガックリと地面につく。それにより出来上がった無防備な体勢を俺は逃すことなく接近する。
「滅竜奥義!!」
「こいつはハヤアキツのーーー」
何かを言いかけているアルドロン目掛けてジャンプする。俺が持てる全ての魔力と全身の力を利用した渾身の一撃を放った。
「雲竜天空水!!」
ヴァッサボーネから
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