新たな力
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ウェンディside
「ウェンディは死んでも守ってやる!!」
「トウカもな!!」
「てかこの猫なんだ!?」
「そっちがトウ・・・いいから逃げるのよ!!」
薄れていく意識の中、わずかながらに聞こえてくるウォーレンさんたちの声。さっきみんなに助けてもらった際に私の魔力は全部使いきってしまったので、動くことができずに運んでもらっています。
「シリル・・・」
わずかに視界に見える剣の雨。それが恐らく至るところに降っていることが想像できた私は思わず最愛の少年の名前を呟いていました。
「頑張って・・・」
そう言ってから、フッと笑顔になりました。シリルならきっと大丈夫、そんな気がしているから。
シリルside
背中から生えた羽根。無意識に出てきたそれは俺のことを守ってくれていたようで、視界が拓けると周囲に剣の残骸が落ちているのが目に入る。
「人間ごときが神の力にあらがうというのか・・・」
無傷で生還した俺を見てアルドロンは腕組みをしている。その姿はいまだに余裕を崩さず、こちらを見下しているのがよくわかる。
「いや・・・人にあらず。竜の子・・・そして天使の子か」
しかし彼は一切こちらから目を切ることはない。それは俺のことを実力者として認めている証拠なのだろう。
「抗うさ。お前が俺たちの前に立ち塞がるなら」
漲る力。それはこの羽根のおかげだけじゃない気がする。アルドロンを弱らせてくれた皆さんの力が伝わってきているような・・・不思議な感覚だ。
「俺は俺を信じてくれる人がいる限り・・・絶対に折れない。それが妖精の尻尾だからだ!!」
羽根を大きく開き一気に加速する。その速度はこちらを凝視していたはずのアルドロンも視認できていなかったらしく、簡単に間合いに入ることができた。
「竜魔の鉄拳!!」
「ぐぉぉ!!」
さっきまでなかなか入らなかった攻撃が見事にヒットする。しかしアルドロンの身体は固く、ダメージを与えきれていない。彼は何とか踏ん張るとこちらに手を向ける。それに合わせて再び剣舞の雨が降り注いできた。
「見える!!」
さっきまでは避けるので精一杯だったそれを羽根を大きく羽ばたかせ全て打ち払う。自身のもっとも自信のある攻撃を防がれたことでアルドロンは動揺していた。
「そこだぁ!!」
それにより隙だらけとなっている彼へ体当たり。そのまま後方へ押し込もうとするがそこは神の名が付く存在なだけあり、難なく受け止められてしまう。
「人間ごときが!!ドラゴンの力を使うなど!!」
「ぐはっ!!」
真上から拳を叩きつけてくるアルドロン。身体が浮いていたこともあり
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