秘めたる鮑を求めて
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んで祝福の言葉を伝える。
「さぁ! 来いドグラー!! 私たちの大切な娘を、貴様に渡してなるものか!」
バラードは決意し、声を荒らげて教会の出入口を睨み付けた。
「グフフ…貴様が神父だな…」
「さあ…お前の一人娘を出せ!!」
「美人の娘をな…グフフフ…」
全身が緑色で、頭部左右に二本生えた鬼の様なモンスターの群れを教会内に引き連れて、顔面を酷く歪ませ、ニタついた表情とねっとりとした目線で夫婦を見つめるこの男こそ、ドグラーである。
歳は40代。
身長210cm。
体重140キロ。
頭に被った赤い冠と上半身、赤いズボンを穿いた下半身にケバケバしい宝石を沢山身に付け、足にはサンダルを履いている。
両腕の手首に銀色の腕輪を嵌めており、背中に青いマントを羽織っていた。
肌はよく焼けた小麦色。
体型はがっしりしており、筋肉と脂肪でブクブクに肥えている。胴も足も短く、ずんぐりとした巨体の持ち主。
目は小さく丸まっていて、瞳の色は緑色。
体型と同じく、大きな顔に筋肉と脂肪が張り付いている。
口元と頬を大きく開き、凶暴な歯を外気に晒していた。
「そんな娘は知らん! もしいたとしても、貴様に渡す訳がなかろう!」
バラードは険しい表情と鋭い瞳で、ドグラーに怒声を浴びせる。
「フン! あくまで惚ける気か…」
「では、貴様らを殺してからゆっくり探すまでよ!」
ドグラーはそう言った直後、その太り肉からは想像がつかない程速く動き、バラードの直ぐ近くまで寄る。
同時に左腕を素早く振りかざし、バラードの首をグシャリと圧し折る。
バラードの首はあらぬ方向へ曲がり、そのまま床に倒れ込み、教帽が頭から外れ部屋の隅まで転がり、呆気なく絶命した。
バラードの鼻と口からは血が吹き出て、顔面と顎髭を地面ごと汚す。
「神父! あの世で教会でも開きな!」
ドグラーは鼻で笑いながら、死体となったバラードに目線を向けて罵倒する。
「あなたぁぁぁぁ!!!!」
目の前の惨劇に、シュルネリは目を見開き、大きく悲痛な声を上げた。
「な…なんてことを…なんてことをするの!!」
「貴方は地獄に落ちるわよ!!!!」
シュルネリは表情を強張らせ、ドグラーへ怒りを向ける。
「わしが知りたいのは地獄ではなく美人の娘だ」
「何処に居るんだ! 教えろ! 奥さんよ! …いや…シュルネリ!」
ドグラーは舌舐めずりしながらシュルネリを睨み付け、リンダの居場所を聞き出そうとする。
「どうして! 私の名前を!」
「グフフ…そのくらい事前に調べているさ! …で…娘は何処だ」
困惑するシュルネリの様子でニタつくドグラー。
「誰が! 誰が貴方なんかに!! 死んでも教えるものですか!!」
シュルネリは険しい表情でドグラーを睨み
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