お宝
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
仮面ライダーか……」
ソロモンは首をひねりながら肩で笑う。
ディエンドはディエンドライバーの銃身を手で叩いた後、動き出す。
高速移動により、ソロモンの背後に回り込み、ディエンドライバーの銃身で殴りかかるが、ソロモンはその全てを受け流し、その大剣で応戦する。
だが。
「まあまあ待て。ソロモン」
その声に、ディエンドとソロモンは動きを止める。
電気さえ灯ることのないその教会で、コツコツと足音が聞こえてきた。
やがてステンドグラスから差し込む月明りに、その人物の姿が浮き彫りになっていく。
それは、怪しげなローブの男性。目深に被ったフードを外し、無精ひげを生やした中年がその顔を見せた。
「君は……確か……」
『何のつもりだ? アマダム……』
コエムシは苛立たし気に首を震わせる。
アマダム。
その名を聞いて、ディエンドはピンときた。
かつて、士が訪れたとある魔法石の中の世界。そこで、怪人たちを支配していたという存在が。
「確か、アマダムという名前だったね……」
「ディエンド……ディケイドの仲間の仮面ライダーか」
「仲間?」
ディエンドは、その銃口をアマダムへ向ける。
「止してくれたまえ。彼との仲はそんないいものじゃない」
「五月蠅いですね……」
だが、水を差されたソロモンは穏やかに終われない。
顔を左右に揺らしながら、ソロモンはその大剣をアマダムに向ける。
「私の……邪魔をするな!」
叫び出したソロモンは、大剣をアマダムへ振り上げる。だが。
「処刑人ごときが、ルーラーに逆らうな!」
アマダムはそう叫んで、ソロモンに手を伸ばす。
すると、新たな銀のオーロラが発生。ソロモンの前に立ちふさがる。
「な、何!?」
「引っ込め」
ソロモンが吐き捨てると同時に、オーロラがソロモンを包み込む。
アマダムへの罵詈雑言を飛ばすソロモンだったが、オーロラが通過すると、その声が全く聞こえなくなり、オーロラの存在とともにソロモンの姿もまた消滅していった。
数秒だけソロモンがいなくなった空間を見つめ、ディエンドはアマダムを見つめ直した。
「……君は、僕の邪魔をしないのかな?」
「フン? どうかな?」
アマダムは笑みを浮かべたままディエンドを睨む。
ディエンドは数秒アマダムの笑みを睨み返し、やがてディエンドライバーを向けた。
同時に、アマダムも手をディエンドに向ける。発砲されたディエンドライバーの銃弾は、アマダムの手のところでその動きを止め、空中で静止した。
「随分といきなりな奴よのう」
「生憎、僕は気が長くなくてね。コエムシでないなら君でも構わない。早く聖杯を渡したまえ」
「おやおや……少し
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ