第六百九十七話 弱肉強食とその五
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「それでね」
「わからなくなったの」
「そうみたいよ、二十世紀後半位はね」
その頃はというと。
「地球にあった頃だけれど」
「二十世紀なら鹿児島県ね」
「その頃の言葉はね」
「普通だったの」
「確かに訛りは強かったけれど」
それでもというのだ。
「まだね」
「わかる位だったの」
「ええ、けれどそれ以前の」
七海はその頃のことを話した。
「薩摩藩とかね」
「江戸時代ね」
「その頃の言葉はね」
「あんな風で」
「もう日本人でもね」
それこそというのだ。
「何言ってるのかね」
「わからない位だったの」
「それが復活して」
「私達もわからないのね」
「同じ日本人でもね」
日本語を喋っている筈であるがというのだ、その国の人間の定義としてその国の言語を用いているという考えである。
「どうもね」
「わからない位になったの」
「みたいよ、津軽星系もね」
七海はこの星系の言葉のことも話した。
「昔の言葉が復活して」
「昔の津軽弁が」
「それでね」
その為にというのだ。
「ああしてね」
「わからないのね」
「もうね」
それこそというのだ。
「あちらにしても」
「そうなのね」
「それで太宰治もね」
二十世紀の文豪である彼もというのだ。
「あの言葉をね」
「使ってたのね」
「あの人津軽の人でしょ」
「ええ」
彰子もそれはと答えた。
「あそこの名家の人よね」
「まだお家あるでしょ」
「確か政治家の津島さんね」
「津軽選挙区のね」
この星系のというのだ。
「あのお家の人でね」
「まさに津軽の人で」
「津軽弁喋ってたのよ」
「そうだったのね」
「それで西郷さんや大久保さんは」
西郷隆盛、大久保利通はというのだ。
「東郷平八郎さんもね」
「その人達は鹿児島だから」
「それも江戸時代の人だから」
七海はそれ故にと話した。
「それでね」
「昔の薩摩弁をなのね」
「新政府になっても」
それで東京に入ってというのだ。
「それでね」
「薩摩弁でなのね」
「喋っていたそうよ」
「そうなのね」
「それでおいとかこらとか」
七海はこうした言葉も出した。
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