第七十五話 合宿最後の日その九
[8]前話 [2]次話
「警戒してるでしょ、お仕事だってね」
「多いの」
「独裁者は自分に権限集めるから」
だから独裁者であるのだ、権力を集めるということは即ち権限を集めるということであるのだ。ヒトラーも国家元首である大統領と首相を兼ねて総統となった。そして唯一の政党としたナチスの党首であり軍隊の最高司令官でもあった。
「もうお仕事もね」
「かなりあるのね」
「もう気の休まる暇もよ」
それこそというのだ。
「ない位にね」
「大変なの」
「独裁者で見の周り警戒しないって」
そうした者はというのだ。
「いないしお仕事もね」
「大変ね」
「もう休む間なんて」
「それこそなのね」
「全くなくて」
それでというのだ。
「寝る時間だってね」
「ないの」
「そうよ」
ヒトラーもスターリンもそうだった、ヒトラーは明け方位に寝てそして遅くとも九時には起こされていたという。
「そんな風よ」
「じゃあ将軍様に生まれても」
「大変よ」
「暗殺を警戒して」
「お仕事も多くて」
それでというのだ。
「食べ放題飲み放題でもね」
「ハーレムがあっても」
「けれどね」
生活自体は贅沢の極みでもというのだ。
「それでもよ」
「やっていくにはなのね」
「もうね」
それこそというのだ。
「並大抵じゃないわよ」
「じゃああの国で生まれたら」
「誰でもよ」
それが例え将軍様でもというのだ。
「地獄よ」
「そうなるのね」
「ええ、それでそんな国をなのね」
「日本では好きだったり支持していたり」
「そんな人いるのね」
「変態みたいだけれどね」
かな恵はこうも言った。
「いるのよ」
「そうなのね」
「それも学校の先生にね」
「多いのね」
「日本の皇室や自衛隊は大反対で」
そうした教師は何故かかなりの高確率でそうした考えである。
「あの国の世襲の独裁や軍隊はいいのよ」
「それだけで頭おかしいわね」
「そうよね、自衛隊はね」
「海軍の資料だったわ」
ウェールズの娘は確かな声で言った。
「最高に恰好いいじゃない」
「けれどその海軍、日本軍もね」
「嫌いで」
「戦前の日本もそうで」
江戸時代もだ、やたら身分や搾取を言う。だが北朝鮮のそういったことは江戸時代の日本なぞ比較にならないことは言わない。
「やたら言うのよね」
「北朝鮮の方が遥かにあれでも」
「しかも恰好悪いのにね」
「あそこの軍隊正直全然恰好よくないわね」
「そうでしょ」
かな恵もそれはと言った。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ