第八十三部第五章 謎の兵器の正体その十五
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「それでいいです、そして若しです」
「若し?」
「若しといいますと」
「まだ何かありますじゃ」
「はい、敗れた方が連合に亡命を申し出れば」
その時はというのだ。
「受け入れる必要があります」
「アッディーン大統領でもシャイターン主席でも」
「受け入れてですね」
「以後連合で暮らしてもらう」
「そうなりますね」
「そうなります、どちらの方もです」
アッディーンもシャイターンもというのだ。
「非常に優秀な方なので」
「連合に来てもらうと」
「その才能を発揮される」
「そうなりますか」
「はい、ですがそれは軍事的才能ではなく」
発揮される才能はというのだ。
「政治的才能です」
「そちらですね」
「政治家として活躍してもらう」
「そうなりますね」
「連合は軍事的に優秀な人物は必要でも」
それでもというのだ。
「しかしそれ以上にです」
「政治ですね」
「そちらの才能が求めれますね」
「戦場で戦う能力よりも」
「そちらになりますね」
「そうです、サハラ連合に入られるかまではわかりませんが」
連合にあるサハラから連合に亡命してきた者達による国家だ、滅んだ政府が次々にそのまま入って政府を形成して集まっている連邦国家である。
「しかしです」
「それでもですね」
「政治家として活躍してもらう」
「軍人としてよりも」
「そちらになりますね」
「そうです、ただシャイターン主席なら」
彼が亡命してきた場合についてだ、八条は話した。
「亡命国家には入られないかも知れないです」
「と、いいますと」
「あの方ならどうされるか」
「それはどういったものでしょうか」
「一体」
「はい、新国家をです」
この国家をというのだ。
「建国されるかも知れません」
「シャイターン主席ならですか」
「その可能性がありますか」
「そうなのですか」
「そう思います」
こう話すのだった。
「あの御仁は」
「新国家ですか」
「そちらを建国され」
「そして、ですか」
「国家を運営されますか」
「そう思います、あの方は野心家です」
連合ではこう認識されている、それも広く。
「今はサハラ統一を目指されていますが」
「その野心が連合に入れば」
「どうなるか」
「我々にはわかりませんが」
「私が予想しますに」
八条はこう前置きして話した。
「新国家を築かれ」
「その国で皇帝となられる」
「そうなられますか」
「サハラでは果たせなかったですが」
「連合では、ですか」
「いえ、イスラムの皇帝は一人のみです」
八条は将官達がシャイターンが連合で皇帝に即位するのではないかという予測をこの言葉を出して否定した。
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