第一話
「あ」
声を漏らして、すぐに後悔した。
真っ直ぐ前を向いていた彼女は、ゆっくりと振り返った
「こんにちは」
透き通った声で、彼女がそう言った。
いつもクラスで見せるものと変わらない笑顔で
「…こんにちは」
挨拶されて何も返さないのは無礼だ
こんな状況でそれが適応されるかは別として。
ふっと真顔に戻って彼女は言った
「なんで僕がこっちにいるか、気になる?」
何故フェンスの向こう側に彼女がいるのか
気になる。気になるに決まっている。
『僕』という一人称に違和感を覚えながら、私は正直に言った。
「気になります」
再び彼女がにこりと笑った。
彼女の笑い方、というか微笑み方は少し不気味だと思った
にこり、というよりも、にたり、という感じがする。
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