羽根
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の中には少年の成長した姿とそれを倒すために自身が取るべき行動のことでいっぱいになっていた。
シリルside
「これが神に背いた人間の末路」
耳にわずかに聞こえるアルドロンの声。それはまるで何かに遮られているかのように籠って聞こえる。
「負けた・・・のか・・・」
意識が遠退いているからそのように聞こえるのかと思った。降り注ぐ剣舞が収まっていることから、アルドロンがそれをやめたことがわかる。俺の記憶通りなら、先の攻撃に対応することができず槍の雨を受けてーーー
「あれ?痛みがない・・・」
なぜか痛みがない身体を見るとそこには先ほど自身が放った拳に突き刺さった槍の傷痕しかない。全身に降り注いでいたはずの槍を身体が受けた形跡がない。
「てか暗すぎ・・・何ここ・・・」
さっきまで広い空間にいたはずなのに今俺のすぐ近くに壁があり、手が届く。が、その手が届いたそれを触って俺は目を見開いた。
「なんだ?柔らか・・・」
壁とは言いがたいほどの柔らかな感触。なおもそれを触っていくと、それが羽毛であることに気が付いた。
「え?まさか・・・」
真っ白な羽根・・・すぐ近くにあるそれは視界全てを覆っているが、背中側だけ明らかに距離が近い。そこから推測されたことを確かめるために俺はその羽根を動かそうとする。すると、次第に視界が開けていき、目の前にこちらに見て驚いているアルドロンの姿が入ってくる。
「なんだ?それは」
目の前の敵も俺自身も何が起きているのかわからない状況。ただ、一つだけ言えることがあった。
「さっきまでより・・・力が漲ってる」
全身に溢れ出る魔力を感じた俺はそんなことを呟いていた。純白の翼を手にした俺はこちらを見据えているアルドロンを睨み付けるのだった。
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