第九十六話 お盆になりその十一
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「友達同士でいる様で」
「実は違うのね」
「ごっこでただ集まってるだけで」
「馴れ合いね」
「そう、それでね」
「いざとなれば裏切る」
「自分さえよければいいからね」
そうした考えの輩共だからだというのだ。
「それならよ」
「友達同士でいる筈がないわね」
「そうよ、ヤクザ屋さんでもそんな連中はね」
「下っ端ね」
「精々鉄砲玉に使われて」
そうなってというのだ。
「終わりよ」
「使い捨てね」
「悪いことしかしない小者なんて裏社会でもいらないわよ」
「表で誰も相手にしなくて」
「それでね」
「裏でもなのね」
「使い捨てになって」
そうなってというのだ、裏社会にしても実力社会である。その為只の小者が重く用いられる筈がないのだ。
「終わりよ」
「そうなるのね」
「それで死んでね」
「皆よかったよかった」
「それで死んでも餓鬼として苦しむ」
「そうなるのね」
「そうよ、ちなみに私布施餓鬼しないから」
愛は冷たく言い放った。
「そんな連中がなってると思ったら」
「したくないのね」
「布施餓鬼って幾分でも餓鬼の餓えや渇きを和らげる為にするのよ」
「それも慈悲ってことね」
「優しさよ、けれどね」
そうしたものだがというのだ。
「そんなドキュンにね」
「優しさは向けないのね」
「大体人間として生きていた頃にそんな連中が他の人に優しくしたか」
「そうは考えられないわね」
「でしょ?それで悪いことばかりしてなってるのよ」
「それでお布施なんてするか」
「する気ないわ、精々苦しめばいいのよ」
やはり冷たく言った。
「餓鬼としてね」
「そう考えてるのね」
「そう、布施餓鬼をする位なら」
それよりもというのだ。
「普通の人達にね」
「お布施をするのね」
「そうするわ、餓鬼にはね」
「一切しないのね」
「他の人がしても何も言わないけれど」
それでもというのだ。
「私はね」
「しないのね」
「絶対にね」
こう咲に話した。
「しないわよ」
「そうなのね」
「ええ、ドキュンはいなくなればいいし」
「餓鬼は苦しめばいい」
「そうよ」
まさにというのだ。
「ずっとね」
「人に優しくしなかった奴、悪いことばかりしていた奴に優しさは不要ね」
「屑にはね」
「そうした考えもありね」
「私がそうよ」
「そういう考えもあるのね」
「他の人は知らないけれどね」
それでもというのだ。
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