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【魔法少女リリカルなのは】魔導師を辞めた高町家の男
第六話 私が主人公よ!!(嘘) byリンディ
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 私より上手く料理を作り、何より得意だったのはアップルパイを作る事。

 初めてアップルパイを食べさせて貰った時に私はすぐに「貴方の作ったアップルパイ、私は大好き」と言った。

 その時も、確か今と同じような悲しみを背負ってた時だった。
 飼っていた猫が突然死んで、ずっと泣いていた時だった。

 あの人は、猫の分と自分の分そして私の分を皿にアップルパイを乗せていた。

 そして今も、クライドが居なくなって泣いている時にあの人はアップルパイを持ってやってきた。


「お前なら、出来る」


 あの人、高町 隼人 の言葉が脳裏に響く。
 クライドが言った、私に任せる事、クロノの事、全部私が彼の分もやっていくと決めた。

 隼人の御蔭で私はまた力を付けた。

 今までは、ただ悔しくて彼の事を追いかけたくて提督と言う役職をしている。

 次元航行艦船アースラの艦長もこなしてきた。

 でも、もう私は変わったんだ。
 
 私は、クライドを追いかけるのではなく、彼のやろうとした事を引き継いで彼の気持ちをクロノに教えて行く。それが、私が今やることだと気付かされた。


「私、やるわ。ありがとう、隼人」


 そう言うと、私の視界が真っ暗になった。









 


 目を覚ますと、私はベットの上で起き上がる。

 此処は何処だろうかと思いながら周りを見渡す。

 特に何もない。あると言えば、壁に飾ってあるいろいろな写真が目に入った。


「この写真に写ってるのって全部、なのはちゃんと隼人……」


 それがわかると胸が苦しくなった。
 理由はわからない。でも、何かが気になる。

 写真に写っている隼人の笑顔を見てると自分も微笑んでしまう。

 でも、どうしてこんなにも胸が苦しいのかがわからなかった。

 隼人に娘がいるって知った時も、幼稚園になのはちゃんを迎えに行った時にもずっと胸が苦しかった。
 迷惑をかけないように無理に笑顔を作って我慢していた。


「どれも楽しそうな物ばかりね」


 見ているこちらも楽しくなってきそうな程だった。

 仲の良い親子の写真は何時見ても良いものだと思う。


「でも、後一人が写ってない」


 そう、家族になら居ても可笑しくない。いや、いないと可笑しい筈の存在がどの写真にも写ってはいなかった。

 母親の姿が見当たらない。

 どの写真を見ても写っているのはなのはちゃんか隼人か二人一緒の写真くらいだった。

 ずっとカメラマンでもやっているのだろうか?
 いや、隼人なら絶対に嫌でも写真の中に入れそうな気がする。

 そう言えば、家の中にも女性なんて居な
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