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第十五話 仮住その二

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「わいは」
「お勉強は」
「他のことかてそやけどな」
「そちらもですか」
「ああ、ただな」
「ただな?」
「修行はな」
 これはというのだった。
「そうはいかんかった、じっちゃんによお怒られたわ」
「星見のですね」
「そや、修行さぼったらな」
 その時はというのだ。
「ほんまよお怒られたわ」
「そうだったんですか」
「そやから修行はな」 
 こちらはというのだ。
「結果としてな」
「手はですね」
「抜かんかったわ」
 そうだったというのだ。
「正確に言うと抜かれんかったわ」
「そうでしたか」
「勉強は兎も角な」
「ただ真面目にして悪いことはないわ」
 嵐は無表情に述べた。
「学業もね」
「そうしてもですか」
「ええ、糧になるから」
「糧ですか」
「人間としてのね」
 こう護刃に言うのだった。
「それになるから」
「真面目に努力して」
「勉強することもね」
「いいんですね」
「努力は裏切らないわ」
 決して、そうした言葉だった。
「だからいいのよ」
「そうなんですね」
「それでね」
 嵐は護刃にさらに言った。
「これからもね」
「勉強していっていいですね」
「そうしてもね」
「わかりました、じゃあよく遊んで」
「よく学ぶね」
「しうしていきます」
 護刃も笑顔で応えた。
「是非」
「それで戦いが終わっても」
「その努力を糧にして」
「生きていくことですね」
「そうしてね」
「まあそれもええことやな」
 空汰も笑って言ってきた。
「要領を考えんで生きてもな」
「いいんですか」
「結局あれや」
 ご飯を食べつつの言葉だった。
「人間それぞれで人生もな」
「それぞれですか」
「そや、それでや」
 護刃に肉じゃがを食べながらさらに話した。
「護刃ちゃんが真面目に生きてもな」
「いいんですね」
「ああ、ただな」
「ただ?」
「悪い男には気をつけるんやで」
 笑ってこうも言うのだった。
「そうしたモンにはな」
「悪い男ですか」
「世の中一杯な」
 それこそというのだ。
「悪い奴がおってな」
「悪い男の人もですか」
「ゴマンとおる、もうヤクザ屋さんとかゴロツキとか」
 そうしたというのだ。
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