第十九章
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「よしっ」
入力を終えてから会心の声を出す。そこにオートバジンが空を飛んでやって来た。
「ナッ」
「空を飛ぶのは御前だけじゃないんだ!」
乾は声をあげるレオに対して言う。
「オートバジン、行けっ!」
彼も陸から攻撃を仕掛ける。空と陸から同時に攻撃を浴びせるつもりであった。
「ヌ、コレハ」
「さあ、こならどうする!」
下から照準を合わせる。オートバジンと動きを合わせて潰すつもりであった。
しかしそうは行かなかった。それより前にレオはさらに上に飛んでそのまま消え去ってしまったのであった。
「ちっ、逃げられたか」
「おやおや、早いですね」
村上はレオが撤収したのを見て楽しそうに声をあげた。
「では仕方がない。私も去りますか」
そう言って津上に声をかけてきた。声には笑みがこもっていた。
「ではアギトの戦士よ、また」
「逃がすか!」
津上は追おうとする。そして追撃を仕掛けてきた。
その横では氷川と葦原が敵を倒そうとしていた。氷川はその攻撃の連打でスクィッドオルフェノクを倒してしまっていた。
「グオオオオオオッ!」
青白い炎を出して灰となり消えていく。その横では葦原がその脚で踵落としを決めてバットオルフェノクを倒していた。
「ギャオオオオオオ!」
叫んでいたのは葦原であった。攻撃を決めて絶叫していた。
バットオルフェノクも攻撃を決められ青白い炎を出す。そして彼もまた灰となって消えてしまった。
「灰になる、か」
「話通りですね」
氷川が葦原に応える。
「オルフェノクは倒されて灰になる」
「ああ。やはりな」
葦原もその話はここに来るまでに聞いていた。だからこそ今目の前で起こっていたことを納得できたのであった。
「しかし今は」
「津上さん」
「おっと、三人になりますか」
村上は自分の部下達が倒されたのを見て驚くまでもなく楽しそうに声をあげた。
「面白そうですがもう勝負は一つ流れていますしね。私はこれで」
「待てっ!」
津上は村上を捉えようとする。だがそれより前に村上はまた薔薇を放ってきた。それが左右から襲い掛かろうとしていた氷川と葦原も包み込んだ。
「うわっ!」
「ちぃっ!」
その薔薇の前に二人は動きを止められた。それは津上も同じであった。
「ははははは、アギトの戦士達よ」
村上は姿を消しながら彼等に対して声をかける。
「ではまた。お会いしましょう」
「くっ、待て!」
津上は村上に声をかける。だがそれは間に合わなかった。彼等は村上の高笑いを歯噛みして聞くしかなかった。
「あれ、村上さん帰っちゃったよ」
北崎はレオと村上が姿を消したのを見て言った。
「飽きちゃったのかな」
「今は潮時ね」
影山もそれに応える。彼等の前ではかなりのダメージを
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