第二部 1978年
影の政府
賊徒の末路 その2
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っと鞘から抜き出し、震える手で握りしめながら答えた。
「せめて、中東の地で、至らぬ身を悔悟しつつ、死んでいこうと覚悟を決めたこの俺を、テロリストに引き戻そうというのか」
マサキは、不適の笑みを浮かべながら、銃剣を小銃に装着する。
短剣を構えて、身動ぎすらせぬ両名の間に、何とも言えぬ空間が出来上がろうとしていた。
まるで触れることさえ、許されざる様な存在……周囲のもの達は、遠巻きに推移を見守った。
男は短剣を強く握りしめると、マサキのほうに駆け出す。
「所詮は、犯罪者は、犯罪者として……」
その瞬間、短剣ごと右手を勢いよく繰り出した。
「死ねということか」
マサキは、すんでのところでかわすと、小銃の先を男に向ける。
そして目いっぱいの力で、銃剣をその男の喉元に突き立てた。
頸動脈からの血しぶきが、マサキに向かって降りかかる。
懐中から回転拳銃を取り出し、
「俺からの手向けだ」と、強烈な一撃を脳天に放つ。
その日、バングラディッシュのテズガオン国際空港は、囚人たちの血で真っ赤に染まった。
こうして、マサキと日本政府の秘密工作員は、日本人テロリストをこの世から消し去った。
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