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おっちょこちょいのかよちゃん
277 吐き出された本音、そして絶望
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「え?大野君達を待たなくていいのお?」
「逃げながら戦う。つっても俺達がそのりえちゃんを連れ去った奴の所へ行った方が向こうの思う壺かもしれんがな」
 三人は藤木救出班の目的地へ移動し始めた。

 食後、藤木は部屋に戻ろうとしたが、りえはそのまま椅子から立ち上がらなかった。
「りえちゃん、どうしたんだい?」
「あ、ううん・・・」
(今まで私は藤木君が好きになるように操られてたって言うのっ・・・!?)
 りえは黙って部屋に戻った。
「りえちゃん、明日は何して遊ぼうか」
「う、その・・・」
「どうしたんだい?もしかして疲れたのかい?」
「いや・・・。私、その・・・」
 りえは本音を言おうか迷った。そして部屋に戻る。
「僕はお風呂入って来るよ」
「行ってらっしゃい・・・」
 藤木は部屋から出た。そしてりえは考える。
(私はあの時・・・。眠くなって・・・。これも妲己って人の術っ!?)
 りえはそう思うと憎悪が心に籠る。
(早く、ここから出たいっ!それから私の杯は一体どこにあるのっ!?)
 暫くして藤木が入浴を済ませて戻って来た。
「只今、りえちゃん・・・」
 りえは窓際に離れていた。
「藤木君・・・。私・・・」
(ど、どうしたんだろう・・・?)
「私、本当はここにいたくないっ!」
「え?」
「私はここにいたくないのっ!私達がいるこの世界は戦争を正義としてるこの世界なのっ!この世界は今世界でテロ活動してる赤軍って人と組んで日本をまた戦争を起こす国にしようとしてるのよっ!私達はかよちゃんとか杉山君とかと一緒に平和を正義としてる世界の人と協力してそれを止めようとしてるのよっ!その為にこの世界に来てるのっ!確かに藤木君からしたら元の世界にいるよりもこの世界にいた方が楽かもしれないけど、私は嫌っ!」
「ど、どうしたんだい!?さっきまでは僕と一緒にいるの楽しんでたのに・・・」
「私、藤木君は友達だと思ってるけど、私は本当はっ、本当はっ・・・!!」
「え・・・?」
「私は夏休みの時に喧嘩してたけど、杉山君の事がなんか気になってっ、だから私、藤木君の事は友達とは思っても好きとまでは思ってないのよっ!!」
 りえは感情一杯にぶちまけた。
「そ、そんな・・・!!」
 藤木はりえの言葉で呆然としてしまった。
(そ、そんな・・・、りえちゃんは・・・)
 藤木は思い出した。思い出せば夏休みにりえと遊んだ時、杉山はりえと喧嘩してばかりいた。だから仲良くはないと思っていた。にも関わらずりえは杉山に好意を寄せている?藤木は信じられなかった。
「じゃあ、さっきまで僕に対して好きそうにしてたのは何だったんだい?あれは演技だったのかい?」
「さっきまで?」
「僕のスケートを見てカッコいいって、見惚れてたじゃないか。あれは一体なん
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