暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第150話:邂逅と追跡と
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「うわぁぁっ!?」
「きゃぁぁっ!?」
「くぅっ!?」
〈バインド、プリーズ〉

 車ごと地面に叩き付けられそうになった寸前で、ガルドが魔法の鎖で車を受け止め地面に激突する事は避けられた。だが今の一撃で車はスクラップと化し、もう走ることはできなくなってしまった。
 打ち上げられた衝撃で荷台から放り出されたガルドは何とか着地し、乗っていた2人も棺桶と化した車から脱出する。

 そこに何時の間にそこにいたのか、岩の上に佇むサンジェルマンからの言葉が届いた。

「あなた達で七万三千七百九十五……その命、世界革命の世界革命の礎と使わせていただきます」
「革命?」

 サンジェルマンの口にした”革命”という言葉に怪訝な顔をする朔也。銃を手に警戒するあおいと、2人を守る為立ち塞がるガルドが蛇とサンジェルマン達を見上げていると、そこに聞き慣れた声で一つの唄が聞こえてきた。

「Seilien coffin airget-lamh tron」

「歌?」
「どこから……?」

「この歌は……!」

 突如聞こえてきた歌にサンジェルマン達が首を傾げるのに対し、ガルド達は思わず笑みを浮かべた。何を隠そうこの歌はS.O.N.G.の頼れる仲間の歌であり、同時にガルドにとっては恋人の姉の物でもあるからだ。

 サンジェルマン達が歌の発生源を探して周囲を見渡していると、1台の車が蛇に向かって突っ込んだ。減速するどころか加速して蛇に激突した車は、燃料を満載していたのか大きな爆発を起こした。その爆発は蛇をも怯ませるほどである。

 そしてその爆発の直前、車から飛び降りた3つの人影がガルド達の前に降り立った。その正体はマリアに切歌、調の3人。S.O.N.G.の誇る装者、その最後の3人がここに降り立ったのである。

 マリアは肩越しに背後を振り返ると、朔也達を守るガルドに笑みを向けた。

「全く、世話の焼ける義弟ね」
「そう言ってくれるな……義姉さん」

 こちらを鼓舞するような声を掛けてくるマリアに、ガルドも負けじと言い返し3人の隣に並び立つ。

 3人の装者と1人の魔法使い。その姿を蛇と、岩場の上に立つサンジェルマン達が見下ろしていた。
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