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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第150話:邂逅と追跡と
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かった」
「謝る前にさっさと行くわよ!」

 ガルドを荷台に乗せると、あおいがエンジンキーを回してアクセルを噴かす。そして一気に車を急発進させ、そそくさとオペラハウスから逃げ出した。

「おっとと!?」

 危うく荷台から放り出されそうになったガルドだが、何とか踏ん張り離れていくオペラハウスを見た。
 先程の錬金術師たちが出てくる様子はない。追うのを諦めたのか?

 そう思った直後、突然地面が割れそこから巨大な蛇の様な物が姿を現した。そいつには体の側面に規則正しく並んだ赤い目があり、次々と開いたその目が3人の乗る車を一斉に睨んできた。

「おいおいおいおい、冗談だろっ!?」
「本部ッ! 応答してください、本部ッ!?」

 巨大な蛇が追い掛け回してくる状況に、朔也が必死に助けを求める。あれはもうガルド1人でどうにかなる様なレベルではない。

『友里さんッ!? 藤尭さんッ!? ガルドさんッ!?』
『装者は作戦行動中だッ! 死んでも振りきれッ!』
「死んだら振り切れませんッ!?」

 弦十郎からの無茶苦茶な返答に、悲鳴のような声を返す朔也。その間にも蛇は車を追跡し、その道中で周囲に破壊を齎した。

 このままではタダやられるのを待つばかりと、ガルドは激しく左右に動く荷台の上でキャスターに変身した。

「くっ、変身ッ!」
〈マイティ、プリーズ。ファイヤー、ブリザード、サンダー、グラビティ、マイティスペル!〉

 キャスターに変身したガルドは、砲撃モードにしたガンランスで追跡してくる蛇を迎撃する。車が激しく動き回るので狙いが付け辛いが、的が大きいので砲撃は幾つも命中し蛇の表皮で爆発を起こした。
 だがやはり狙いの甘さ故か、どれも有効打はおろか怯ませる事すらできない。まるで蚊に刺された程度にも感じていないと言わんばかりに突き進んでくるではないか。

 そして遂に、蛇が狙いを定めた様に鎌首をもたげて一気に車に食らいついて来た。

「ヤバい、来るぞッ!?」
「えぇぇぇぇっ!? き、軌道計算ッ! 暗算でぇぇぇっ!?」

 咄嗟にどのような軌道で蛇がくらいついてくるかを即座に計算した朔也は、警告や注意喚起無しでいきなりサイドブレーキを引いた。強引に停車した車の荷台で、体を固定しきれていなかった故にガルドがもんどりうって頭をぶつけるが、その甲斐あってか蛇は車を通り過ぎて崖の下へと落ちていった。

 その間に車は崖の側面にある道を走りその場を離れていく。

「やり過ごせた……!」
「いっつつ……やるな、サクヤ」

 痛む頭を擦りつつ、活路を開いた朔也を称賛し安堵の溜め息を吐くガルド。朔也も釣られて肩から力を抜くが、次の瞬間車の真下から飛び出した蛇に打ち上げられて車は放物線を描き地面に落下する。

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