第九章
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なかったのであった。そして啓太郎もまた。
しかし草加は俯いたままであった。彼は津上達の話を聞くとは言ってもまだ納得できないものがあった。それは自分自身に対してであった。
「草加」
「乾か」
彼が声をかけてくるとそちらに顔を上げてきた。そして言う。
「お笑いかな。俺もオルフェノクになっちまった」
「ああ」
「御前を化け物と言ったけれどな。俺も化け物になった」
自分で自分を嘲笑う感じであった。
「御前が狼で俺が鮫だ。何の因果なんだか」
「けれど御前今は自分で考えているだろ?」
「何?」
「それを考えているのは御前自身じゃないのか?」
乾はそう草加に言う。声にはあえて感情を込めていないようであった。
「詳しいことはあの人達の話を聞いてからだが御前は姿はオルフェノクでも考えている心は人間なんだろう?じゃあ」
「御前みたいに人間として、カイザとして戦えってことか」
「俺はそう思う。御前がどう考えるかわからないがな」
「どっちにしろだ」
彼は言った。
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