第二章
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金太郎はさらにお相撲に励みました、もう今自分がいる山だけでなく辺り一辺のどの熊にも絶対に勝つ様になり。
何と妖怪変化まで負かす様になりました、するとです。
ある日この時もお相撲を取っていた金太郎のところに立派な身なりのお侍さんが来ました、そうしてでした。
お侍さんは金太郎にこう言いました。
「そなた相撲が好きか」
「はい、大好きです」
金太郎はお侍さんに笑顔で答えました。
「本当に」
「何より好きか」
「飯よりも好きです」
「そこまで好きか」
「はい、相撲を取れるなら」
それならというのです。
「もうそれで、です」
「何もいらないか」
「そうです」
まさにというのです。
「それがしは」
「そうか、ではだ」
「では?」
「そなたわしのところに来るか」
お侍さんは金太郎に笑顔で言いました。
「実はわしは源頼光という者だ」
「源頼光様ですか」
「帝にお仕えしてお護りしておる」
それがお仕事だというのです。
「そうしておる」
「そうなのですね」
「そなたはいつも相撲を取ってな」
そうしていてというのです。
「実に強そうだ、だからな」
「それで、ですか」
「そなたを家臣にしたい、よいか」
「お誘いをして頂けるなら、ただ」
ここで、でした。金太郎は。
頼光さんの前に畏まってです、こう申し出ました。
「山の皆も連れて行っていいでしょうか」
「それは何故だ」
「引き続きこの者達を相撲が取りたいからです」
金太郎は頼光さんに言いました、一緒にいる山の多くの生きもの達を見回して。
「ですから」
「だからか」
「駄目でしょうか」
「人とも相撲が取れるぞ」
「人との相撲も好きですが」
「獣達ともか」
「はい、そうしたいので」
こう言うのでした。
「如何でしょうか」
「そうか、そこまで相撲が好きなのだな」
頼光さんは金太郎のお願いを聞いて笑って言いました。
「誰とも取りたいまでに」
「まさに相撲が出来ればそれで充分です」
「わかった、ではその者達も連れてじゃ」
こう金太郎に言いました。
「山を下りてな」
「そうしてですか」
「わしに仕えよ」
「畏まりました、では母上も共に」
育ててくれたお婆さんも一緒でした、そうしてです。
金太郎は頼光さんに仕えるお侍さんとなりました、そうして坂田金時と名乗り頼光さんの下で多くの悪い人達や悪い妖怪を懲らしめましたが。
そうなってもです、暇があるとです。
誰とでもお相撲を取りました、人だけでなくです。
山から連れてきた生きもの達に子供達、それこそお相撲を取りたいなら誰ともです。
お相撲を取りました、頼光さんはその金太郎あらため金時に尋ねました。
「そなた昔と今どちらが幸せか」
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