第一章
[2]次話
新説金太郎
金太郎は山でお婆さんに育てられています、お婆さんは金太郎に読み書きに樵や漁や山菜取りの方法を教えてくれました。
ですが金太郎はお婆さんに教えてもらう前にです。
立てる様になったらもう山の生きもの達と相撲を取っていました。
「まあ、何て子なんだろう」
山姥であるお婆さんもこれにはびっくりでした。
「教える前からお相撲を取るなんて」
「これお相撲っていうんだ」
金太郎は驚くお婆さんに言いました。
「遊んでるだけと思ったら」
「それはお相撲っていうんだよ」
お婆さんは金太郎に優しく答えました。
「お侍さんがよくやる稽古なんだよ」
「お侍さんが?」
「そう、身体を鍛えてね」
そうしてというのです。
「自分が強くなるね」
「稽古なんだ」
「そうなんだよ」
「僕これをしていたら普通に楽しいよ」
金太郎はお婆さんに答えました。
「だから遊びだってね」
「思ってるんだね」
「そうだよ」
こう答えるのでした。
「いつもね」
「じゃあ遊びでもいいよ」
それならとです、お婆さんは金太郎に笑顔で言いました。
「好きなだけお相撲を取るんだよ」
「そうしたらいいんだ」
「いいよ、好きなだけ遊んで」
そうしてというのです。
「強くなるんだよ」
「うん、それじゃあね」
金太郎はお婆さんの言葉に頷いてでした。
毎日時間があればずっと山の皆とお相撲を取りました、その中には自分よりずっと大きな生きものもいてです。
投げて投げられて楽しんでいました、そしてです。
熊達ともお相撲を取ります、するとでした。
次第にどんな熊も投げ飛ばす様になりました、お婆さんはそれを見てまた驚きました。
「とんでもない子だね」
「おいらがかい?」
「そうだよ、まだ子供だっていうのに」
それでもとうのです。
「熊さえ投げ飛ばすなんてね」
「普通じゃないかな」
「普通じゃないよ」
こう金太郎に言うのでした。
「とてもね」
「そうなんだ」
「まだ子供なんてそうなら」
お婆さんはさらに言いました。
「大人になったらどうなるんだろうね」
「大人っておいらずっとお相撲するよ」
「それでだよ、まだ子供なのに熊を投げるんだから」
それならというのです。
「大人になったらどうなるんだろうね」
「おいら大人になったらずっと強くなるかな」
「今よりもね」
「それじゃあもっとお相撲取るね」
「好きなだけしたらいいよ」
こう金太郎に言います、そしてです。
[2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ