第三章
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「認めてあげて金婚式のお祝いをよ」
「してくれるの」
「そうしてあげるわ」
こう言うのだった、和佳奈は妹の話を聞いてだった。
翌日柳吉に自分の手作り弁当を出して一緒に食べている時に笑いながらこんなことを言ったのだった。
「もうそんなことはね」
「絶対だよね」
柳吉ものろけきって言った。
「なるよね」
「そうよね、実久もね」
妹もというのだ。
「私があまりにもね」
「僕のことを言うからかな」
「そう、それでね」
その為にというのだ。
「うざいってね」
「そう思ってなんだ」
「言ってるのよ」
このことはわかって言えた。
「それでよ、けれどね」
「うん、僕達はね」
「このままよ」
「付き合っていって」
「結婚してね」
「お互い就職したら」
「そうしたらね」
それからはと言うのだった。
「ずっと一緒にいて」
「そしてね」
「その金婚式までよ」
「五十年だったね」
「そうよ」
和佳奈はその通りだと答えた。
「金婚式はね」
「じゃあ五十年ね」
「結婚するまでも頑張って」
「それから五十年ね」
「頑張ってみましょう」
柳吉に笑顔で言った、そうしてだった。
二人は交際を続け遂にだった。
和佳奈は実久に満面の笑顔で言った。
「お祝い楽しみにしてるわ」
「まさかね」
実久は苦笑いで応えた。
「結婚してよ」
「五十年迎えるなんて思わなかったのね」
「だってね」
それこそというのだ。
「普通ないから」
「その普通ないことをなのよ」
それをというのだ。
「私達はね」
「やったのよね」
「そうよ、しかしね」
「しかし?」
「結婚するまでもあっという間で」
それでというのだった。
「結婚してからもよ」
「五十年ね」
「あっという間だったわ」
「そうなのね」
「ええ、お互いにね」
「ずっと一緒にいて」
「お互いのことに」
それにというのだ。
「子供や孫のことを考えていたら」
「あっという間だったのね」
「そうだったわ」
「そう言われると私もね。結婚してね」
そうしてとだ、実久も言った。
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