第二章
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「我が友でよく知っているが」
「義母上のことは」
「左様、相手が結婚しているとな」
そうであると、というのだ。
「向かわぬ」
「そうなのですね」
「だからな」
それ故にというのだ。
「お主は結婚せよ、早くな」
「そうしてですか」
「あの者を避けよ、よいな」
「実は想っている相手がいますが」
「それなら尚よい、何ならわしが紹介したが」
「あの、その人は」
アッティスはゼウスの好き者であることから怪訝な顔になって述べた。
「まさか」
「馬鹿を言え、わしは確かに多くの女とそうした関係であるが」
「それでもですか」
「手をつけた者を人に紹介せぬ」
そうしたことはしないというのだ。
「そこのことも言っておくぞ」
「そうですか」
「それで言うが」
彼にあらためて言った。
「ではその相手と今すぐにでもな」
「結婚することですか」
「そうして難を逃れよ、よいな」
「わかりました」
アッティスはゼウスの言葉にすぐに頷いて応えた、そうして想い人と結婚して式も挙げたがこの時にだった。
ゼウスはギリシアの神々を連れて参列し小アジアの神々と共にそれも義母として参列しているキュベレーを見た、野性的な感じながらも引き締まって凛とした美貌を持つ長い黒髪の長身で痩躯の女神は非常に残念そうな顔をしていたが。
ゼウスは彼女のところに来てだ、そっと言った。
「わしが結婚する様に言ったが」
「貴方がなのね」
「考えてみよ」
キュベレーに呆れた様に言った。
「相手は息子だぞ」
「義理でも」
「そこで義理ならいいでしょと言ったら怒っておったぞ」
こうも言うのだった。
「わしでもな」
「娘さんにはなのね」
「手を出さんからな」
「そういえばそうね」
「そうだ、確かにギリシアではな」
オリンポスも入るのは言うまでもない。
「神も人も何かとな」
「あるわね」
「それで血縁関係は酷いものがあるが」
他の地域に比べてだ、ゼウスも自覚していることだ。
「自分の子供と思えばだ」
「違うことはね」
「よくあるが」
「その通りね」
「身持ちが固い女神は少ない」
多くの女神がいるがだ。
「我が妻ヘラにデメテルにな」
「ヘスティア女神に」
「娘のアテナとアルテミス位は」
「他の女神はね」
「どうにもでな」
それでというのだ。
「非常にだ」
「そちらは乱れていて」
「それでだ」
そうした状況でというのだ。
「どうもな」
「そちらはっていうのね」
「お世辞にもいいとは言えぬ、人もな」
「同じね」
「神も人も自分の子供と思えば」
男性視点で話した。
「何処の馬の骨とも知れぬかな」
「お友達や家臣や主君の子供だったり」
「血縁で言うと甥だの姪だの
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